トリプルメディアっていったい何でしょう? 欧米ではPOEM(詩)と呼ばれています
トリプルメディアという言い方を、ここ数年、広告業界では頻繁に耳にします。
広告主が自社製品やブランドについて情報発信をする際に、ペイド・メディア、オウンド・メディア、アーンド・メディアの3つのタイプのメディアを適切に活用すべきだ。という議論です。
では、その3つのタイプとは、どのようなものでしょうか?
広告主が自社製品やブランドについて情報発信をする際に、ペイド・メディア、オウンド・メディア、アーンド・メディアの3つのタイプのメディアを適切に活用すべきだ。という議論です。
では、その3つのタイプとは、どのようなものでしょうか?
一つ目は、ペイド・メディア(Paid Media)。発信者側がお金を払うメディアのことです。テレビCM、新聞広告、雑誌広告、ラジオCMなどに加え、ネット上のバナー広告などもこのペイド・メディアに当たります。
広告主は、例えばテレビCMであればテレビ局にお金を払ってテレビCM枠(放送上の時間)を買って(ペイして)、自分たちが流したい広告を発信するわけです。
二つ目は、オウンド・メディア(Owned Media)。発信者が自分で持っている(オウンしている)メディアのことです。カタログなどもこれに含まれますが、多くの場合は自社ウェブサイトを指して使われます。
このオウンド・メディアは、もちろん制作費やサーバー管理の費用などはかかるのですが、ペイド・メディアほどの予算はかかりません。
ペイド・メディアでは、例えばテレビCMで言えば15秒という時間の制約があったり、新聞広告で言えば新聞1ページといったスペースの制約があるのですが、オウンド・メディアは原理的にこういった制約はありません。
10分の動画を流そうと、新聞10ページ分の情報を記載しようが、それは発信者側の自由なわけです。
三つ目が、アーンド・メディア(Earned Media)。これは、テレビ番組や雑誌記事で紹介されることや、ソーシャル・メディア上を含むクチコミで話題になることを指しています。
自分の持ち物でもなく、お金を払って枠を買っているわけでもなく、発信者である広告主からすれば、いわばアーンした(稼いだ)メディアととらえられるというわけですね。
このアーンド・メディアは、従来の言い方で言う広報やPRも含まれています。例えば、地方自治体のウェブ上の動画を作るときは、「テレビ番組が取り上げやすくするにはどうすれば良いか?」と知恵を絞ります。
また、クチコミの重要性もどんどん増しています。
特にツイッターやフェイスブックなどのソーシャル・メディア上のクチコミは、どんなことがどれくらいの量クチコミされているのかについて、発信者側が把握することができるため、マーケティング活動の一つとして重要視されるようになってきています。
そして、日本ではなぜか「トリプル・メディア」と呼ぶのが一般的ですが、英語圏ではその呼び方は通用せず、PとOとEのMediaを略して、POEM(ポエム=詩と同じスペリング、発音)と呼ばれ、実際には「ポウム」と聞こえます。
従来の広告は、ほとんどがペイド・メディア中心で考えられてきたのですが、デジタル・メディアやソーシャル・メディアが台頭し、従来の広告の影響力が下がってきたことを背景に、この3つのメディアをどのように組み合わせ、活用していくかが、広告主=発信者側にとっては重要になってきたというわけです。
次回は、今回も少し取り上げたクチコミのマーケティング活用について、ご紹介していきます。
次回の「佐藤達郎のマーケティング論」は『WOMマーケティングって何ですか? それはクチコミのことで、「ウォム」と読みます』をお届けします。
佐藤達郎のマーケティング論
[プロフィール]
佐藤 達郎(さとう・たつろう)
多摩美術大学教授(広告論/マーケティング論)、コミュニケーション・ラボ代表。2004年カンヌ国際広告祭日本代表審査員。浦和高校、一橋大学、アサツーDK、(青学MBA)、博報堂DYを経て、2011年4月より現職。著書に、『NOをYESにする力!』『アイデアの選び方』『自分を広告する技術』『教えて!カンヌ国際広告祭』がある。
[記事提供]
(運営:株式会社アックスコンサルティング)
広告主は、例えばテレビCMであればテレビ局にお金を払ってテレビCM枠(放送上の時間)を買って(ペイして)、自分たちが流したい広告を発信するわけです。
二つ目は、オウンド・メディア(Owned Media)。発信者が自分で持っている(オウンしている)メディアのことです。カタログなどもこれに含まれますが、多くの場合は自社ウェブサイトを指して使われます。
このオウンド・メディアは、もちろん制作費やサーバー管理の費用などはかかるのですが、ペイド・メディアほどの予算はかかりません。
ペイド・メディアでは、例えばテレビCMで言えば15秒という時間の制約があったり、新聞広告で言えば新聞1ページといったスペースの制約があるのですが、オウンド・メディアは原理的にこういった制約はありません。
10分の動画を流そうと、新聞10ページ分の情報を記載しようが、それは発信者側の自由なわけです。
三つ目が、アーンド・メディア(Earned Media)。これは、テレビ番組や雑誌記事で紹介されることや、ソーシャル・メディア上を含むクチコミで話題になることを指しています。
自分の持ち物でもなく、お金を払って枠を買っているわけでもなく、発信者である広告主からすれば、いわばアーンした(稼いだ)メディアととらえられるというわけですね。
このアーンド・メディアは、従来の言い方で言う広報やPRも含まれています。例えば、地方自治体のウェブ上の動画を作るときは、「テレビ番組が取り上げやすくするにはどうすれば良いか?」と知恵を絞ります。
また、クチコミの重要性もどんどん増しています。
特にツイッターやフェイスブックなどのソーシャル・メディア上のクチコミは、どんなことがどれくらいの量クチコミされているのかについて、発信者側が把握することができるため、マーケティング活動の一つとして重要視されるようになってきています。
そして、日本ではなぜか「トリプル・メディア」と呼ぶのが一般的ですが、英語圏ではその呼び方は通用せず、PとOとEのMediaを略して、POEM(ポエム=詩と同じスペリング、発音)と呼ばれ、実際には「ポウム」と聞こえます。
従来の広告は、ほとんどがペイド・メディア中心で考えられてきたのですが、デジタル・メディアやソーシャル・メディアが台頭し、従来の広告の影響力が下がってきたことを背景に、この3つのメディアをどのように組み合わせ、活用していくかが、広告主=発信者側にとっては重要になってきたというわけです。
次回は、今回も少し取り上げたクチコミのマーケティング活用について、ご紹介していきます。
次回の「佐藤達郎のマーケティング論」は『WOMマーケティングって何ですか? それはクチコミのことで、「ウォム」と読みます』をお届けします。
佐藤達郎のマーケティング論
[プロフィール]
佐藤 達郎(さとう・たつろう)
多摩美術大学教授(広告論/マーケティング論)、コミュニケーション・ラボ代表。2004年カンヌ国際広告祭日本代表審査員。浦和高校、一橋大学、アサツーDK、(青学MBA)、博報堂DYを経て、2011年4月より現職。著書に、『NOをYESにする力!』『アイデアの選び方』『自分を広告する技術』『教えて!カンヌ国際広告祭』がある。
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(運営:株式会社アックスコンサルティング)