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民事信託・家族信託がなぜ最大限に活用されるべきなのか?

15.03.11
業種別【不動産業(相続)】
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民事信託を活用することでどのようなメリットや機能があるのか?
大きく分別すると、以下の4つが挙げられます。

1.資産承継・事業承継への柔軟な対応
2.後見制度に代わる資産運用・節税対策
3.不動産等に関する所有権等の物権を債権化により争族対策
4.倒産隔離機能を利用したリスクヘッジ

では、具体的に考えていきましょう。
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不動産業のための登記・相続講座

1.資産承継・事業承継への柔軟な対応
平成19年の信託法改正に伴い、二次相続以降の承継先を指定が可能になりました。
つまり、家督相続と実質同じ内容が実現できます。
これは、後継遺贈型受益者連続信託と呼ばれています。
詳細に関しては、次回以降でお話しいたしますが、遺言では実現できない内容を、この手法を活用することで可能にします。
例えば、「自分が死んだら長男Aに遺産を相続させる。その後、長男Aが死んだ場合は、残った財産を孫であるBに承継させる」などの事例を挙げることができます。
さらに、民事信託の活用は受託者の継続的管理により、スムーズな承継が可能になります。
遺言であれば、一時的に相続発生時に資産は凍結されますが、信託であれば、固有財産ではなくなりますので、凍結されることはありません。

2.後見制度に代わる資産運用・節税対策
元気なうちに信託を設定していれば、本人が判断能力を喪失しても、受託者によって継続的に積極的な資産運用が可能です。
後見制度は本人の財産を保護することが主たる目的なので、相続税対策や積極的は原則としてできません。
では、委任契約、財産管理契約をしていればどうか?
その場合、資産の運用・処分につき、本人の意思確認が回避できないケースも多く、限界があります。

3.倒産隔離機能を利用したリスクヘッジ
例えば経営者が保有する会社が倒産した場合、債権者は強制執行をしますが、信託であれば、債権者は原則として委託者である経営者の財産を差し押さえることができません。
委託者の固有財産ではなくなるからです。
さらに民事信託は、受託者が破産した場合でも受託者の固有財産ではありませんので、受託者に託した財産が差し押さえられたりすることがありません。
委託者は安心して財産を託すことができます。

4.不動産等に関する所有権等の物権を債権化により争族対策
遺産のほとんどを不動産が占めるようなケースでは、当該不動産を共同相続人の一人が引き継ぎ、他の相続人に対し、代償分割として預貯金等の金銭を相続させるような遺産分割が難しい場合があります。
しかし、不動産を共有名義にしてしまうことは大きなリスクを伴います。
つまり、共有不動産は、共有者全員が同意・協力しないと換価処分等ができませんので、不動産の有効活用ができなくなる可能性があります。
そこで、不動産を所有権として共同相続するのではなく、当該不動産を信託財産とする信託を設定し、受益権を共有化します。