『健康経営優良法人』の認定を受け、採用市場を一歩リード
労働力人口の減少が続く日本において人材を確保することは、企業規模にかかわらず喫緊の課題といえます。
人材を確保するためには、求人に応募したくなるような魅力のある企業になる必要があります。
そこで注目したいのが、従業員の健康経営に取り組むことで生産性や企業イメージを向上させる『健康経営優良法人』です。
今回は、経営はもちろん人材獲得にもつながる健康経営優良法人認定制度について説明します。
人材を確保するためには、求人に応募したくなるような魅力のある企業になる必要があります。
そこで注目したいのが、従業員の健康経営に取り組むことで生産性や企業イメージを向上させる『健康経営優良法人』です。
今回は、経営はもちろん人材獲得にもつながる健康経営優良法人認定制度について説明します。
まずは健康経営について知っておこう
健康経営とは、従業員の健康を重要な経営指標としてとらえ、健康管理および増進を積極的に推進する経営のことを指します。
そして健康経営優良法人とは、日本健康会議によって「優良な健康経営を実践している企業である」と認定された企業のことを指します。
健康経営が注目される背景には、少子超高齢社会による若い世代の人口減少があります。
15~64歳の労働人口の減少は、企業にとって人材確保の困難につながります。
すでに人材不足に悩む企業においては、病気やケガでの離職を防いだり、出産後の女性や定年後の高齢者を再雇用したりするなど、既存の従業員に長く働いてもらうことが最優先事項といえるでしょう。
また、長時間労働の常態化やサービス残業、パワハラといった劣悪な労働環境を廃し、従業員が生き生きと働ける労働環境構築に社会全体で取り組むべきという意識も浸透しつつあります。
従業員にとって健康で働きやすい職場をつくる健康経営は、業績の向上だけでなく、優秀な人材の確保につながるのです。
健康経営優良法人になるメリット
健康経営優良法人認定制度は、経済産業省が顕彰制度を設計し、日本健康会議が毎年認定を行っています。
この制度では、大規模法人・医療法人を対象とした『大規模法人部門』と、中小規模の企業・医療法人を対象とした『中小規模法人部門』に分けて健康経営優良法人を選定します。
そして、特に優良な健康経営を実践している上位法人に対して、『ホワイト500』(大規模法人部門)、『ブライト500』(中小規模法人部門)という特別称号が与えられます。
健康経営優良法人に認定されると、以下のようなメリットがあり、申請する企業も年々増加しています。
●生産性の向上
従業員の健康管理を重要視する健康経営を行えば、心身の状態がよくなり、病気や事故による生産性低下を防ぐ効果を期待できます。また、従業員が健康で生き生きと働くことで社内全体のモチベーションがアップし、作業効率も上がると考えられています。
●離職率低下
病気やケガによる退職も減り、健康で長く働き続けてくれる従業員が増えるでしょう。従業員の心身の健康に配慮した組織体制のもとで仕事を行うことができれば、企業に対するエンゲージメントも向上します。それに伴う離職率の低下は、労働力人口の減少が進む現在において、大きなメリットとなるでしょう。
●企業価値の向上
健康経営優良法人に認定されれば、従業員の心身の健康に配慮している企業であるとして、社会的評価を受けることが可能です。この評価は企業価値の向上につながるだけでなく、求職者にとっても魅力的に映ります。健康経営優良法人への認定は、採用においても有利になるといえます。
●インセンティブ措置
自治体からは公共事業や入札審査における加点や、補助金が受けられ、金融機関からも収支の優遇といったインセンティブを受けることができます。また、ハローワークの求人票への健康経営優良法人認定の記載が可能です。
認定を受けるための要件は
では、認定されるにはどのような要件を満たせばよいのでしょうか。ここでは中小規模法人部門の主な認定要件を紹介します。
(1)経営理念
(2)組織体制
(3)制度・施策実行
・従業員の健康課題の把握と必要な対策の検討
・健康経営の実践にむけた土台づくり
・従業員の心と身体の健康づくりに関する具体的対策
(4)評価・改善
(5)法令遵守・リスクマネジメント
これらの項目はさらに小項目に分かれており、項目ごとにチェックを行います。
認定基準や認定までのプロセスは企業規模ごとに異なっているため、詳しい内容は経済産業省のWebサイトをご確認ください。
また、健康経営優良法人と並ぶ制度として、『健康経営銘柄』があります。
健康経営銘柄は、経済産業省と東京証券取引所が共同で、健康経営優良法人に認定された企業のなかから上場企業に限定し、財務状況などのスクリーニングに合格した企業を選定公表するものです。
2022年には日本水産株式会社や積水化学工業株式会社など、32業種から50社が選定されました。
多様な働き方が定着した今こそ、従業員の心身の健康に配慮した健康経営を行うことが必要です。
企業も従業員も健康で盤石な体制を整え、生産性向上・組織力強化を目指す健康経営優良法人制度の認定を検討してみてはいかがでしょうか。
※本記事の記載内容は、2023年4月現在の法令・情報等に基づいています。
健康経営とは、従業員の健康を重要な経営指標としてとらえ、健康管理および増進を積極的に推進する経営のことを指します。
そして健康経営優良法人とは、日本健康会議によって「優良な健康経営を実践している企業である」と認定された企業のことを指します。
健康経営が注目される背景には、少子超高齢社会による若い世代の人口減少があります。
15~64歳の労働人口の減少は、企業にとって人材確保の困難につながります。
すでに人材不足に悩む企業においては、病気やケガでの離職を防いだり、出産後の女性や定年後の高齢者を再雇用したりするなど、既存の従業員に長く働いてもらうことが最優先事項といえるでしょう。
また、長時間労働の常態化やサービス残業、パワハラといった劣悪な労働環境を廃し、従業員が生き生きと働ける労働環境構築に社会全体で取り組むべきという意識も浸透しつつあります。
従業員にとって健康で働きやすい職場をつくる健康経営は、業績の向上だけでなく、優秀な人材の確保につながるのです。
健康経営優良法人になるメリット
健康経営優良法人認定制度は、経済産業省が顕彰制度を設計し、日本健康会議が毎年認定を行っています。
この制度では、大規模法人・医療法人を対象とした『大規模法人部門』と、中小規模の企業・医療法人を対象とした『中小規模法人部門』に分けて健康経営優良法人を選定します。
そして、特に優良な健康経営を実践している上位法人に対して、『ホワイト500』(大規模法人部門)、『ブライト500』(中小規模法人部門)という特別称号が与えられます。
健康経営優良法人に認定されると、以下のようなメリットがあり、申請する企業も年々増加しています。
●生産性の向上
従業員の健康管理を重要視する健康経営を行えば、心身の状態がよくなり、病気や事故による生産性低下を防ぐ効果を期待できます。また、従業員が健康で生き生きと働くことで社内全体のモチベーションがアップし、作業効率も上がると考えられています。
●離職率低下
病気やケガによる退職も減り、健康で長く働き続けてくれる従業員が増えるでしょう。従業員の心身の健康に配慮した組織体制のもとで仕事を行うことができれば、企業に対するエンゲージメントも向上します。それに伴う離職率の低下は、労働力人口の減少が進む現在において、大きなメリットとなるでしょう。
●企業価値の向上
健康経営優良法人に認定されれば、従業員の心身の健康に配慮している企業であるとして、社会的評価を受けることが可能です。この評価は企業価値の向上につながるだけでなく、求職者にとっても魅力的に映ります。健康経営優良法人への認定は、採用においても有利になるといえます。
●インセンティブ措置
自治体からは公共事業や入札審査における加点や、補助金が受けられ、金融機関からも収支の優遇といったインセンティブを受けることができます。また、ハローワークの求人票への健康経営優良法人認定の記載が可能です。
認定を受けるための要件は
では、認定されるにはどのような要件を満たせばよいのでしょうか。ここでは中小規模法人部門の主な認定要件を紹介します。
(1)経営理念
(2)組織体制
(3)制度・施策実行
・従業員の健康課題の把握と必要な対策の検討
・健康経営の実践にむけた土台づくり
・従業員の心と身体の健康づくりに関する具体的対策
(4)評価・改善
(5)法令遵守・リスクマネジメント
これらの項目はさらに小項目に分かれており、項目ごとにチェックを行います。
認定基準や認定までのプロセスは企業規模ごとに異なっているため、詳しい内容は経済産業省のWebサイトをご確認ください。
また、健康経営優良法人と並ぶ制度として、『健康経営銘柄』があります。
健康経営銘柄は、経済産業省と東京証券取引所が共同で、健康経営優良法人に認定された企業のなかから上場企業に限定し、財務状況などのスクリーニングに合格した企業を選定公表するものです。
2022年には日本水産株式会社や積水化学工業株式会社など、32業種から50社が選定されました。
多様な働き方が定着した今こそ、従業員の心身の健康に配慮した健康経営を行うことが必要です。
企業も従業員も健康で盤石な体制を整え、生産性向上・組織力強化を目指す健康経営優良法人制度の認定を検討してみてはいかがでしょうか。
※本記事の記載内容は、2023年4月現在の法令・情報等に基づいています。