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飲食店で進めたい食品ロス削減の取り組み

22.12.06
業種別【飲食業】
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『SDGs(持続可能な開発目標)』に対する世界的な意識の高まりを背景に、各界でさまざまな取り組みが進められています。
日本でも2019年に『食品ロスの削減と推進に関する法律(食品ロス削減推進法)』が施行され、事業系食品ロスの削減目標が設定されました。
今回は、日本の食品ロス削減に関する状況と、そのなかで飲食店にどのような取り組みが可能なのかを解説します。
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SDGsで掲げられた食品ロスの削減

食品ロスとは、食べ残しや賞味期限が近いというだけで本来食べられるのに、廃棄される食品のことをいいます。
2015年に『持続可能な開発のための2030アジェンダ』が国連総会で採択され、2030年までに世界全体の一人当たりの食品ロス量を半減させることが盛り込まれました。
国連採択を受けて日本でも、2019年に『食品ロスの削減と推進に関する法律(食品ロス削減推進法)』が施行され、同時に発表された『食品リサイクル法』の基本方針において、家庭系および事業系の食品ロス量を2030年度までに2000年度比で半減すると、具体的な目標が定められています。

指標となる2000年の食品ロス量は980万トンであり、2030年には489万トン(うち事業系食品ロス量は273万トン)まで削減することが目標となります。
農林水産省の調査によると、2020年度の日本の食品ロス量は522万トン、このうち飲食店などの事業系食品ロス量は275万トンでした。
食品ロス量は順調に減少しており、2030年の削減目標達成まであとわずかともいえますが、SDGsの推進に向けて、より一層の取り組みが進められています。


政府が推奨する飲食店での食品ロス対策とは
 
環境省では、食品ロス削減を推進するため、外食産業をはじめとする事業者向けに情報を発信しています。
飲食業界ではお客の『食べ残し』が課題とされており、その対策として以下の2つの取り組みが推奨されています。

●食べきりの促進
お客の食べ残しを減らすために、提供した料理をお客にすべて食べきってもらう『食べきり』の促進です。
飲食店の工夫として、小盛りや小分けのメニューを採用する、大人数の会食では事前に食事量を幹事と相談しておく、料理を出すタイミングを工夫するなどの対策があげられています。

●持ち帰りへの協力推進
料理が残った場合に、お客に持ち帰ってもらうことも、食品ロス削減策として提示されています。
ただし、食中毒などのリスクがあるため、持ち帰る場合は十分なリスク対策をしたうえ、お客自身の責任で持ち帰ってもらうことが必要です。

食品ロス削減への取り組み対策は、国際目標のSDGsでも取り上げられるなど、社会的な後押しもあると同時に、一人ひとりの意識の持ち方次第で実践できるような身近な課題でもあります。
一般家庭の食事においても食品ロス防止策が注目されている今、飲食店としてこのような課題に取り組むことは、自店のイメージアップやブランディングにもつながります。

とはいえ、食べきりや持ち帰りを推進することは、簡単なことではありません。
環境省では『食品ロスポータルサイト』(https://www.env.go.jp/recycle/foodloss/busi.html)で、食品ロスの取り組みを後押しする事業者向け情報を取りまとめています。
これらの情報を参考にしながら、できることは何か考えてみてはいかがでしょうか。


※本記事の記載内容は、2022年12月現在の法令・情報等に基づいています。