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建設工事で発生する廃棄物の適正な処理方法を知っておこう

22.05.31
業種別【建設業】
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建設工事では、紙くずや木くず、がれき類などさまざまなゴミが排出されます。
発生したゴミは、『産業廃棄物』と呼ばれ、『廃棄物の処理及び清掃に関する法律(廃棄物処理法)』によって、保管基準や処理基準などが定められています。
また、産業廃棄物を外部に委託する場合は、収集運搬業者や処分業者らと書面により契約を締結する必要があります。
産業廃棄物を不適切に処理しないように、建設工事における産業廃棄物の取り扱いについて、改めて説明します。
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一般廃棄物と産業廃棄物の違い

そもそも廃棄物とは人々の活動によって生まれたゴミのことで、自分で利用したり、他人に有償で売却したりできないものと定義されます。
こうした廃棄物は、『一般家庭から出る一般廃棄物』と、『事業活動によって生じた廃棄物』に分けることができます。
事業活動によって生じた廃棄物の中でも、廃棄物処理法に定められた20種類の廃棄物は『産業廃棄物』と呼ばれ、保管や処理に関して特に厳しい基準が定められています。
ちなみに、そのほかの事業活動によって生じた廃棄物は、『事業系一般廃棄物』に区分されます。

さて産業廃棄物は、下記のように『すべての事業活動に伴うもの』と『排出する業種等が限定されるもの』に分かれています。

<すべての事業活動に伴うもの>
(1)燃え殻
(2)汚泥
(3)廃油
(4)廃酸
(5)廃アルカリ
(6)廃プラスチック類
(7)ゴムくず
(8)金属くず
(9)ガラス・コンクリート・陶磁器くず
(10)鉱さい
(11)がれき類
(12)ばいじん

<排出する業種等が限定されるもの>
(13)紙くず
(14)木くず
(15)繊維くず
(16)動物系固形不要物
(17)動植物性残さ
(18)動物のふん尿
(19)動物の死体

たとえば、金属くずなどは、多くの産業が排出しています。
したがって、金属くず=産業廃棄物と定義することができます。
しかし、紙くずなどは条件を満たした場合、産業廃棄物となるので、確認が必要です。

・建設業に係るもの(工作物の新築、改築又は除去に伴って生じたものに限る)
・パルプ、紙又は紙加工品の製造業
・新聞業(新聞巻取紙を使用して印刷発行を行うものに限る)
・出版業(印刷出版を行うものに限る)、製本業及び印刷物加工業に係るもの
・ポリ塩化ビフェニルが塗布され、又は染み込んだもの

これらの条件に該当しない紙くずなどは、事業系一般廃棄物として処理されます。


ゴミの運搬と処理を外部事業者に委託する

建設工事で出た産業廃棄物は、廃棄物処理法で定められた基準に従って保管および処理を行う必要があります。
原則的に、排出事業者とは元請事業者のことです。
元請事業者から建設工事を請け負っている下請事業者は、勝手に産業廃棄物を保管・処理してはいけないことになっています。

保管に関しては『周囲に囲いを設ける』『必要事項が記載された掲示板を設置する』などの基準があります。
運搬や処理に関しても『産業廃棄物が飛散、流出しないようにする』『悪臭、騒音又は振動による生活環境の保全上支障が生じないように必要な措置を講じる』などの基準が設けられており注意が必要です。
ほかにも細かい基準があるので、必要であれば都道府県の環境局などに確認しておきましょう。

また、排出事業者が自社内で保管および処理することが難しい場合は、外部の業者に運搬や処理を委託することになります。
実際ほとんどのケースで、産業廃棄物の運搬は収集運搬業者に、処分は処分業者に委託しているのが実情です。

委託を行う際にも委託基準があります。
排出事業者は、まず委託先の収集運搬業者と処分業者について、積込み積下ろし場所や積替保管場所などの許可を得ているか確認し、両事業者と委託契約を書面で締結することになっています。
委託契約書の記載項目は廃棄物処理法で決められています。

さらに、産業廃棄物の引き渡しに際しても決まりごとはあり、排出事業者は、委託業者に対し『産業廃棄物管理票(マニフェスト)』を、廃棄物の積み込みごとに交付しなければいけません。
処理が始まったあとも、排出事業者は、委託業者から返送されるマニフェストにより処理状況を確認することになっており、また、委託契約書とマニフェストを5年間保存する義務があります。

建設工事では、大量の産業廃棄物が排出され、その種類もさまざまです。
取り扱いにおいては基準や決まりを守り、最後まで責任をもって適切に廃棄処分しましょう。


※本記事の記載内容は、2022年5月現在の法令・情報等に基づいています。