ビジネスの可能性を拡げる『メタバース』の特徴を知る
2021年は『メタバース』が大きな注目を集めました。
メタバースとは、インターネット上で構築される仮想世界のことで、メタバースを活用した商品やサービスには、MicrosoftやAppleなどの世界的企業も参入を表明しています。
では、そもそもメタバースとは何なのでしょうか。
現在提供されているサービスの特徴や今後の展望について解説します。
メタバースとは、インターネット上で構築される仮想世界のことで、メタバースを活用した商品やサービスには、MicrosoftやAppleなどの世界的企業も参入を表明しています。
では、そもそもメタバースとは何なのでしょうか。
現在提供されているサービスの特徴や今後の展望について解説します。
メタバースで提供できる商品やサービスとは
インターネット上に仮想世界を構築し、利用者がアバター(システム内の利用者の分身を表すキャラクター)を介してコミュニケーションを図るサービスは、これまでも数多く存在しました。
2003年6月に運用が始まった『Second Life(セカンドライフ)』は、3DCGで仮想世界が作られ、そのなかでは利用者同士の交流のみならず、仮想通貨を使って商品の売買を行ったり、コンサートや観光を楽しんだりすることもできました。
いわゆるMMO(マッシブリー・マルチプレイヤー・オンライン)と呼ばれる、大人数が一つのゲームにオンラインで同時参加して遊ぶタイプのオンラインゲームも人気で、黎明期の1990年代から現在まで、膨大な数のゲームタイトルがリリースされています。
マッシブリー・マルチプレイヤー・オンラインという英語自体は、大規模(Massively)多人数同時参加型(Multiplayer)オンライン(Online)と訳すことができます。
以上のように、これらの下地があって、徐々に現在のメタバース文化が育ってきたという背景があります。
最近では、最先端のVR(バーチャル・リアリティ/仮想現実)やAR(オーグメンテッド・リアリティ/拡張現実)技術を使い、より現実に近い世界観や、高度なメタバースという言葉自体は、コンピューターやネットワーク上に構築された仮想世界の総称であるため、Second LifeやMMOなども広義ではメタバースに含まれます。
メタバースを推進する海外の大手企業は、そこからさらに現実感を伴っていたり、高度であったりする仮想世界やサービスの提供を目指しているということになります。
これまでの仮想世界よりも、現実世界との“地続き感”があるのが大きな特徴です。
ポイントは、現実世界でも同じ資産的価値を持つ『NFT(non-fungible token)』の存在です。
NFTは、日本語では『非代替性トークン』と訳される代替不可能なデータのことで、これまでのデジタルデータでは可能とされていた、記録の改ざんや複製が非常に難しいという特徴があります。
NFT技術の投入により、メタバース内で商品を売買する際に真贋(しんがん)や所有権を証明でき、現実世界と同等の経済活動が行えるようになるといわれています。
NFTは、日本円や米ドルのような法定通貨と容易に換金できるため、新たなメタバースの世界は、より現実と地続きになっているといえるでしょう。
メタバースを巡る世界と日本の動き
2021年に、Facebookが社名をメタ・プラットフォームズ(Meta Platforms)に変更し、メタバースを事業の柱にすることを発表。アバターを介して会議に参加できるサービス『Horizon Workrooms』を約20の国に向けてリリースしました。
Microsoftも、メタバースを見据えて『コール・オブ・デューティー』などの大人気ゲームを手掛ける世界有数のゲームメーカーActivision Blizzardを7.8兆円で買収しました。
Appleも、メタバースで使われるスマートグラスを開発中という報道があり、CEOであるティム・クックも、メタバースへの投資を行っていることを明言しています。
このように世界的企業が相次いでメタバース事業に参入しています。
メタバース市場は急成長を遂げ、2028年には世界全体で46兆円規模になるという予測もあります。
そして、日本でも、大手企業が続々とメタバースへの参入を表明しています。
ソニー・インタラクティブエンタテインメントは、プレイステーション5向けのゴーグル型VR端末を開発中で、パナソニックもメタバースと連動するウェアラブル冷温デバイスの発売を予定しています。
NTTドコモやキャノンは、人の表情や動きを仮想空間上のアバターに伝える技術を開発している、という発表もありました。
このように、日本でもメタバース市場に目をつけている企業は多く、一般への普及・浸透に伴い、今後ますます拡大していくと思われます。
ガイドラインの整備や技術の向上、デバイスの普及などの課題もありますが、バーチャルショップやバーチャルイベントを手掛けるベンチャー企業も出てきており、決して大手企業だけの話ではなくなっています。
今後も新たな展開が予想されるメタバースを巡り、業界の動向を注視する必要がありそうです。
※本記事の記載内容は、2022年4月現在の法令・情報等に基づいています。
インターネット上に仮想世界を構築し、利用者がアバター(システム内の利用者の分身を表すキャラクター)を介してコミュニケーションを図るサービスは、これまでも数多く存在しました。
2003年6月に運用が始まった『Second Life(セカンドライフ)』は、3DCGで仮想世界が作られ、そのなかでは利用者同士の交流のみならず、仮想通貨を使って商品の売買を行ったり、コンサートや観光を楽しんだりすることもできました。
いわゆるMMO(マッシブリー・マルチプレイヤー・オンライン)と呼ばれる、大人数が一つのゲームにオンラインで同時参加して遊ぶタイプのオンラインゲームも人気で、黎明期の1990年代から現在まで、膨大な数のゲームタイトルがリリースされています。
マッシブリー・マルチプレイヤー・オンラインという英語自体は、大規模(Massively)多人数同時参加型(Multiplayer)オンライン(Online)と訳すことができます。
以上のように、これらの下地があって、徐々に現在のメタバース文化が育ってきたという背景があります。
最近では、最先端のVR(バーチャル・リアリティ/仮想現実)やAR(オーグメンテッド・リアリティ/拡張現実)技術を使い、より現実に近い世界観や、高度なメタバースという言葉自体は、コンピューターやネットワーク上に構築された仮想世界の総称であるため、Second LifeやMMOなども広義ではメタバースに含まれます。
メタバースを推進する海外の大手企業は、そこからさらに現実感を伴っていたり、高度であったりする仮想世界やサービスの提供を目指しているということになります。
これまでの仮想世界よりも、現実世界との“地続き感”があるのが大きな特徴です。
ポイントは、現実世界でも同じ資産的価値を持つ『NFT(non-fungible token)』の存在です。
NFTは、日本語では『非代替性トークン』と訳される代替不可能なデータのことで、これまでのデジタルデータでは可能とされていた、記録の改ざんや複製が非常に難しいという特徴があります。
NFT技術の投入により、メタバース内で商品を売買する際に真贋(しんがん)や所有権を証明でき、現実世界と同等の経済活動が行えるようになるといわれています。
NFTは、日本円や米ドルのような法定通貨と容易に換金できるため、新たなメタバースの世界は、より現実と地続きになっているといえるでしょう。
メタバースを巡る世界と日本の動き
2021年に、Facebookが社名をメタ・プラットフォームズ(Meta Platforms)に変更し、メタバースを事業の柱にすることを発表。アバターを介して会議に参加できるサービス『Horizon Workrooms』を約20の国に向けてリリースしました。
Microsoftも、メタバースを見据えて『コール・オブ・デューティー』などの大人気ゲームを手掛ける世界有数のゲームメーカーActivision Blizzardを7.8兆円で買収しました。
Appleも、メタバースで使われるスマートグラスを開発中という報道があり、CEOであるティム・クックも、メタバースへの投資を行っていることを明言しています。
このように世界的企業が相次いでメタバース事業に参入しています。
メタバース市場は急成長を遂げ、2028年には世界全体で46兆円規模になるという予測もあります。
そして、日本でも、大手企業が続々とメタバースへの参入を表明しています。
ソニー・インタラクティブエンタテインメントは、プレイステーション5向けのゴーグル型VR端末を開発中で、パナソニックもメタバースと連動するウェアラブル冷温デバイスの発売を予定しています。
NTTドコモやキャノンは、人の表情や動きを仮想空間上のアバターに伝える技術を開発している、という発表もありました。
このように、日本でもメタバース市場に目をつけている企業は多く、一般への普及・浸透に伴い、今後ますます拡大していくと思われます。
ガイドラインの整備や技術の向上、デバイスの普及などの課題もありますが、バーチャルショップやバーチャルイベントを手掛けるベンチャー企業も出てきており、決して大手企業だけの話ではなくなっています。
今後も新たな展開が予想されるメタバースを巡り、業界の動向を注視する必要がありそうです。
※本記事の記載内容は、2022年4月現在の法令・情報等に基づいています。