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仕事の姿勢を評価する『情意評価』が適している部署と導入方法

22.02.08
ビジネス【人的資源】
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『情意評価』とは、従業員の勤務態度や仕事への意欲を評価する人事評価の一つです。
仕事の成果を評価する『成果評価』や、スキルを評価する『能力評価』などとは異なり、仕事への意欲や自らを研鑽する姿勢、周囲と共生する意識など、幅広い観点から人材を評価できるというメリットがあります。
一方で、評価する側の主観に左右されやすく、不公平感のある評価になってしまうおそれもあります。
そこで今回は情意評価導入のコツとポイントを解説します。
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情意評価のチェック項目は?

まずはじめに、情意評価のチェック項目と基準のあり方について、いくつか紹介します。
一つは、『責任感』です。
「任せた仕事を最後までやり通せる」という責任感の強さは、仕事の質に直結する大切な要素です。
自分が任された業務に対して、責任を持って取り組めているかどうかが判断のポイントになります。

『規律性』も評価するポイントの一つです。
職場内のルールや会社が定めた慣習を、理解して守れるかどうかを判断します。
どの会社にも、独自のルールや不文律は多く存在するものです。
主体性を持ちながらも、その場におけるルールを遵守し、上司の指示に素直に従える人材かどうか、といった点について評価するのが、この項目です。

ほかにも、業務を進めるにあたり、同僚や上司と協力しながら進めていけるかどうかを確認する『協調性』や、能動的に動けるかどうかを見る『積極性』なども、評価の対象となります。

このような項目に沿って、見えやすい成果としては現れてこない“意欲”や“態度”を評価するのが情意評価です。
成績がよく、能力が高くても、「自分さえよければ」という個人的な行動をとったり、態度が悪かったりする人材は、情意評価で高い評価がつかないこともあるでしょう。

一方、協調性や思いやりといった内面的な部分を評価することで、社内の雰囲気がよくなり、社員間のコミュニケーションがスムーズになるでしょう。
その人の心遣いのおかげで業務が円滑に回る、といった側面を評価することもできるようになるので、より現実に即した評価に近づくという面もあります。

成績や能力だけではなく、従業員を多角的に評価できるのが情意評価の大きなメリットです。

また、会社にはさまざまな部署があります。
そのなかで、営業部や開発部、宣伝部などは、それぞれの成果が会社の業績に直結する『直接部門』といわれています。
一方で、経理部や総務部などのバックオフィス業務は、直接部門をサポートする『間接部門』です。
間接部門も会社には欠かせない部署ですが、その貢献度を営業部のように数字でわかりやすく表すことはできません。
もし、社内における人事評価の基準が、成果評価や能力評価しかないとすれば、間接部門の人材の働きについて適切に評価できていない可能性があります。
情意評価を導入することで、間接部門の人材の働きを、より適切に評価できる可能性もあるので、間接部門で働く社員の意欲維持にもつながるのです。

情意評価は、その場に必要な行動をする人材を高く評価することになるため、会社が求める人材を育成しやすいというメリットもあります。


情意評価のデメリットと注意点

情意評価にはデメリットも存在します。
まず、評価する側の主観に左右されやすいということです。
売上や業績のように、明確に数字で表現できるものではないため、どうしても評価者の主観が入ってしまいます。
甘めの評価を行う上司と、厳しい評価を行う上司で評価に差がある場合であれば、評価される側は理不尽な評価であると感じるでしょう。

また、目標設定が難しいという点も、デメリットの一つです。
成果評価であれば、具体的に売上目標を数字で設定し、その数字を達成した従業員を高く評価することができます。
しかし、情意評価においては、評価基準が具体的な数量ではないため、従業員が何をどう努力をすればいいのか、不鮮明になりやすいのです。

情意評価を運用する際には、客観的な視点を意識し、従業員に、どのような振る舞いや心構えを期待しているのか、明確に示す必要があります。
そして、従業員全員に具体的な評価の基準を提示しましょう。
評価をして終わりではなく、考課などのタイミングで適時、改善すべき点を伝えることも大切です。

導入する際は、メリットとデメリットを理解したうえで準備を進め、成果評価や能力評価とバランスよく組み合わせて運用するとよいでしょう。


※本記事の記載内容は、2022年2月現在の法令・情報等に基づいています。