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子どもの食事を持ち込むお客、そのリスクと対処法

21.10.05
業種別【飲食業】
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幼い子どもを連れたお客が、持参した離乳食などをお店のテーブルで食べさせようとすることがあります。
また、好き嫌いの多い子どものために、食べ物を持参する親もいるようです。
食品の持ち込みは、リスク管理という面では禁止するほうがよいのですが、離乳食を食べているような子ども向けのメニューがない店舗では、許可しているケースもあるようです。
これについて、店として、どのように線引きをすればよいのでしょうか。
今回は、『食事の持ち込み』について考えてみましょう。
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持ち込みによる飲食は、衛生上のリスクに

幼い子どもを育てる親にとって、たまの外食は、貴重な息抜きの機会となります。
とはいえ、幼い子ども用のメニューがない飲食店は多いものです。
そのため、「子どもが食べられるメニューがないから」「子どもにアレルギーがあるから」などの理由で、お客が自宅で作った離乳食やベビーフードを持ち込んでくるケースはよくあります。
お店に一言断って持ち込む場合もあれば、なかには当たり前のように子どもに食べさせているお客もいるようです。

親から一言断りがあれば、店側の心情としては大目にみたくなるかもしれませんが、これには衛生上の問題が起こるリスクを伴うことは知っておいたほうがよいでしょう。
万が一、店舗で食中毒が発生すると、それが外部からの持ち込みによるものであっても、営業停止になったり、SNSで悪評判が拡散されたりする可能性があり、リスクはゼロではないのです。

せっかく店に来てくれたお客には、ゆっくり食事を楽しんでほしいところですが、飲食物の持ち込みに関しては、スタッフ全員の認識を『基本的にはあまりよくないこと』だと統一させておく必要があります。
スタッフには、“持ち込み”のお客が来店したときに備えて、対応の仕方を教育しておくようにしましょう。
場合によっては断らなければならないケースもあるので、その理由をしっかりと説明できるようにしておくことが大切です。

さらに、悪質な持ち込みが目立つ場合は、あらかじめ店舗の入り口やテーブルの分かりやすい位置、メニューなどに『お願い』として提示しておけば、こうしたお客と店側の摩擦を減らすことにつながります。


未開封のレトルト離乳食を提供する店舗も

一方で、幼い子どもを連れたお客のニーズに応えるため、安全にキッズメニューや乳幼児向けの離乳食を提供している店舗もあるので、参考に見てみましょう。

代表的なのは、文字通り家族でも行けるファミリーレストランです。
たとえば、『デニーズ』や『ロイヤルホスト』などでは、低アレルゲンのキッズメニューのほか、生後7カ月頃から食べられる離乳食を提供しています。
また、ペコちゃんで知られる『不二家レストラン』では、子育て支援サービスの一環で、1歳未満の乳児向けに離乳食無料サービスを展開。
意外なジャンルでは、カレー店『CoCo壱番屋』も、生後7カ月頃から食べられる離乳食を提供しています。

これらの離乳食は、基本的に“未開封”の市販のレトルト食品であり、店側としても大きな負担なく、安全に提供することができるものです。

最近では、未開封のレトルト食品であれば持ち込み可とする店舗も多く、インターネットで検索すると多くの飲食店がヒットします。

ただし、持ち込みを許可する場合は、店側のルールをしっかり提示しておくことが重要です。
たとえば、以下のようなルールです。

●持ち込み可能な飲食物の種類を決めておく(許可したもの以外は禁止)
●1品ごとに“持ち込み料”(場合により席料・サービス料を追加)を設定する場合は、そのことを明らかにしておく

これらのルール作りは、店のイメージにも関わるため、慎重に検討しなければなりません。
子育て中のスタッフがいれば、参考に意見を聞いてみるとよいでしょう。


周りのお客への配慮も忘れずに

なお、持ち込みの有無に関わらず、子連れ客を受け入れる際に意識しておきたいのが、周りのお客への配慮です。
子どもならではの食べこぼしや元気な大声などは、幼い子どものいる親にとっては日常茶飯事でも、普段幼い子どもと接することのないお客にとっては、目障り・耳障りな場合があります。
まずは親が気を配るべきところですが、大人が静かに会食を楽しむような店であれば、店側があらかじめ年齢制限を設けるなどして、線引きをきちんとする必要があります。
この場合も、スタッフ教育として『子どもが騒いでしまった場合の対応のしかた』をマニュアル化しておくとよいでしょう。

ファミリー層をターゲットにする飲食店では、乳幼児~小学生以下の子ども向けのメニューや、子連れでも利用しやすい環境を整えることが、集客アップにつながる可能性もあります。
衛生面にも留意しながら、自店に活かせることがないか考えてみてもよいかもしれません。


※本記事の記載内容は、2021年10月現在の法令・情報等に基づいています。