結合テスト企業名001

頼れるかかりつけ歯科医になるために!『か強診』の認可について

21.07.06
業種別【歯科医業】
dummy
地域の人々の口腔内の健康を守るためには、かかりつけ医の存在が欠かせません。
歯科医にとっても、地域のかかりつけ医になることは経営の安定化に繋がります。
厚生労働省では、むし歯や歯周病の重症化を予防する『予防歯科』の観点から、2016年の診療報酬改訂で『かかりつけ歯科医機能強化型歯科診療所(か強診)』の認定制度を制定しています。
今回は、医院にとってもメリットの多い『か強診』になるための基準について、説明します。
dummy
かかりつけ医になることのメリットと役割

日本歯科医師会のWebサイトによると、かかりつけ医とは、『安全・安心な歯科医療の提供のみならず医療・介護に係る幅広い知識と見識を備え、地域住民の生涯に亘る口腔機能の維持・向上をめざし、地域医療の一翼を担う者としてその責任を果たすことができる歯科医師』のことをいいます。
その役割は、むし歯や歯周病の重症化予防のための初期治療と継続的な疾病管理、関係機関や他職種との連携、講演会などの公衆衛生活動、歯科診療を通じた認知症や児童虐待の早期発見をはじめ、多岐にわたります。

厚生労働省では、かかりつけ医の充足を図る目的で、2016年4月に『かかりつけ歯科医機能強化型歯科診療所(か強診)』を認定する制度をスタートしました。

認可を受ければ、地域の患者に継続的に来院してもらえる可能性も高まりますし、安全対策や医療体制が整っているクリニックということで、求人でも大きな強みとなります。
また、か強診として認定されたクリニックだけが算定できる診療報酬もあるため、収入面の補強にも繋がります。

認可を受けるには、複数の基準を全て満たす必要があり、ハードルは決して低くありませんが、そのぶん得られるメリットも大きいといえます。


か強診の認可を受けるためにクリアすべき基準

か強診の認可にあたっては、『専門性』『実績』『設備』などの観点でさまざまな基準が設けられています。

専門性は特に重要で、歯科医師が複数名配置されているか、もしくは歯科医師と歯科衛生士がそれぞれ1名以上配置されている必要があります。
また、在籍する歯科医師のなかに、下記の研修を修了している者が1名以上いないといけません。

●歯科疾患の重症化予防に資する継続管理に関する研修(口腔機能の管理を含む)
●高齢者の心身の特性および緊急時対応等の適切な研修

さらに、研修を修了している医師が、以下の項目のうち3つ以上に該当する必要があります。

(ア)過去1年間に、居宅療養管理指導を提供した実績があること。
(イ)地域ケア会議に年1回以上出席していること。
(ウ)介護認定審査会の委員の経験を有すること。
(エ)在宅医療に関するサービス担当者会議や病院・介護保険施設等で実施される多職種連携にかかる会議等に年1回以上出席していること。
(オ)過去1年間に、栄養サポートチーム等連携加算1または栄養サポートチーム連携加算2を算定した実績があること。
(カ)在宅医療または介護に関する研修を受講していること。
(キ)過去1年間に、退院時共同指導料1、退院前在宅療養指導管理料、在宅患者連携指導料または在宅患者緊急時等カンファレンス料を算定した実績があること。
(ク)認知症対応力向上研修等、認知症に関する研修を受講していること。
(ケ)自治体が実施する事業に協力していること。
(コ)学校歯科医等に就任していること。
(サ)過去1年間に、歯科診療特別対応加算または初診時歯科診療導入加算を算定した実績があること。

このように、か強診に在籍する歯科医師には高い専門性が求められます。

さらに実績面では、過去1年間に、歯周病安定期治療(I、II)を30回以上、フッ化物歯面塗布処置または歯科疾患管理料のエナメル質初期う蝕管理加算を合わせて10回以上算定していなければなりません
また、クラウン・ブリッジ維持管理料を算定する旨を届け出ていることや、過去1年間の歯科訪問診療1・2の算定回数、または連携する在宅療養支援歯科診療所1・2に依頼した歯科訪問診療の回数が、合わせて5回以上であることなどの基準もあります。

設備面では、歯科用吸引装置や自動体外式除細動器(AED)、経皮的酸素飽和度測定器(パルスオキシメーター)、酸素供給装置などを揃える必要があります。
全てイチから用意するとなると試算で150~200万円ほどになり、か強診を目指すのであれば、設備投資用の資金を確保しておく必要があります。

このほかにも、さまざまな基準があり、地道に要件をクリアしていく必要があります。

か強診の認可を受けるための講習会やセミナーなども行われているので、最新の情報を仕入れながら、取得を目指していくとよいでしょう。


※本記事の記載内容は、2021年7月現在の法令・情報等に基づいています。