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患者満足度を高め、医院全体の質を向上させる医療接遇の重要性

21.04.30
業種別【医業】
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医院の集患には、患者満足度の向上が大きな鍵となります。
そのためには、医療サービスの質を高めることが何よりも重要です。
医療サービスは、『医療施設』『医療技術』『医療接遇』から成り立っており、それぞれが高いレベルにあるクリニックこそが、医療サービスの高い医院といえます。
今回はそのなかでも、スタッフ教育によって大きな向上が期待できる医療接遇の重要性と、向上させる方法について説明します。
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医療接遇の向上がもたらす2つのメリット

医療接遇は、いわゆるサービス業の“接客”とは異なり、あくまで患者の状況を把握し、不安や辛さを抱える患者の気持ちに寄り添って接することをいいます。
患者が求めているのは、単に愛想よくふるまってもらうことではなく、自分の状況を理解してもらい、対等な立場で意思疎通をすることです。
とはいえ、サービス業で行われているような接客の要素が不要というわけではありません。
患者と接する際には、清潔感や身だしなみ、丁寧な言葉遣いなども当然、必要です。
これらの一般的な接客マナーに医療現場ならではの接遇を含めたものを、医療接遇と考えるべきでしょう。

医療接遇を向上させることは、医院全体に2つのメリットをもたらします。

1つ目は、スタッフの仕事に対する意識の向上です。
医療接遇の意義をしっかりと理解し、患者とのよりよいコミュニケーションを心がけることは、スタッフのモチベーションの向上につながります。
患者と信頼関係を構築でき、感謝されることが増えれば、大きなやりがいを感じるでしょうし、プライドをもって業務に取り組めるようになるでしょう。

2つ目は、クレームやトラブルなどのリスクの減少です。
医療接遇は、患者の気持ちに寄り添いながら、関係構築を図るコミュニケーションの一つです。
患者の訴えに対してしっかりと耳を傾けることができ、また、医院側が伝えたいことを患者に配慮しながら的確に伝えることができれば、結果的にクレームが起こるリスクは減ると考えられます。
良好なコミュニケーションを心がける姿勢が、医院のスタッフ間のコミュニケーションにも活かされれば、インシデントや医療ミスを防ぐことにもつながるでしょう。

このように医療接遇に力を入れることで、医院全体の質が高まります。
そのためには、医療接遇のスキルを育てるスタッフ教育が必要です。
では、具体的に、どのように進めていけばよいのでしょうか。


医療接遇の3つのポイント

医療現場でスタッフ教育を行う際に押さえておきたいポイントは、『基礎的な接遇マナー』『コミュニケーションスキル』『自発性』の3つです。

基礎的な接遇マナーとして、「患者に対してしっかりと挨拶をする」「清潔な身だしなみでいる」「丁寧な言葉遣いで話す」「気配りや心配りをする」など、初歩的なことができているかどうかをチェックします。
医院内で接遇マニュアルを作成して共有したり、接遇マナーに関する研修の時間を設けたりするのも有効です。

コミュニケーション能力に関しては、患者やその家族の認識や状況によって、適した対応は異なるので、マニュアル通りに行えばよいというわけにもいきません。
そのような場合には、経験の豊富なベテランスタッフによる指導やコーチングを受けたり、相手の状況や感情を汲み取るスキルを磨くといった学習を重ねることで、だんだんと向上させることができるでしょう。
特に、医療接遇におけるコミュニケーションのなかでは、患者の話を聞く傾聴力が大切になってきます。
傾聴力を高めるには、たとえば会話をする際は腰を落として患者の目線の高さに合わせたり、適切なタイミングでうなずきや相槌を入れたりするなど、さまざまなテクニックがあります。
こうした能力は、スタッフ同士でロールプレイを行うことで、徐々に鍛えていけるでしょう。

自発性を養うには、スタッフの目的意識を明確にするための面談を行ったり、積極的に行動するスタッフを認める評価制度を設定したりする施策が考えられます。
スタッフ一人ひとりが患者の立場に立って考え、自分の意志で動き出せるような教育をしていきましょう。

医療接遇の向上はスタッフそれぞれの取り組みにより実現し、ひいては医療全体の質を向上させます。
それにより患者満足度も高まり、その結果は、集患へとつながります。
まずは、医院内部の現状を把握し、どのようなスタッフ教育が必要なのかを考えることからはじめてみてはいかがでしょうか。


※本記事の記載内容は、2021年4月現在の法令・情報等に基づいています。