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新たな患者層の獲得にもつながる『予防歯科』への取り組み

21.04.30
業種別【歯科医業】
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昨今、歯科疾患を未然に防ぐ『予防歯科』の大切さが広く理解されるようになってきました。
むし歯や歯周病になる前に定期検診や予防指導などを行い、歯科疾患を防ぐことは、「歯を長持ちさせたい」と願う患者にとっても、歯科医師にとっても、願ってもない取り組みです。
今回は、予防歯科への取り組みや、患者への周知の方法などについて解説します。
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予防歯科の重要性を患者に周知する

厚生労働省が過去に行った調査では、将来的に需要の増加が予測される歯科医療分野として、『予防歯科』が最上位にランクインしていました。
ひと昔前の治療中心型の歯科治療だけでなく、口腔機能の維持・向上や、疾患等の予防、重症化の予防などへの取り組みが歯科医院に求められてきているのです。

高齢になっても歯の喪失が少なく、自分の歯でよく噛めている人は、生活の質や活動能力が高く、運動・視聴覚機能に優れているという研究データもあり、若いうちから定期的に歯のメンテナンスを意識的に行うことには大きな意義があるといえます。
疾患の早期発見・予防に努めることは、う歯にかかるリスクを減らすだけでなく、結果的に治療にかかる時間や費用を抑えることにつながります。

予防歯科を目的に来院してもらうには、まずは、予防歯科の重要性をいかに一般の人に理解してもらうかが鍵を握ります。

患者への定期検診の案内などは、多くの歯科医院でも行っていると思いますが、それ以外にも、パンフレットや医院のサイトなどで、予防歯科の必要性やメリットを周知していきましょう。

たとえば、将来的に歯を失うことによる健康への影響やQOLの低下、う歯になると治療はできても元に戻るわけではないこと、歯科疾患の治療の大変さ(かかる日数、治療前後の痛み、治療期間中の不便さ)などについて、イラストを交えるなどしてわかりやすく表現できれば、予防歯科の重要性を患者に伝えることができるのではないでしょうか。

このほか、院内に予防歯科のポスターを掲示したり、治療に訪れた患者に予防歯科の大切さを説明し、定期的なメンテナンスを促したりするのも効果的でしょう。


セルフケアの指導と歯科ドックの実施

予防歯科においては、歯科医師による検診のほかに、患者へのセルフケアの指導も欠かせません。
セルフケアとは患者自身が歯ブラシやデンタルフロスなどで行う口腔ケアのことで、予防歯科を行う歯科医師は正しいケアの方法を伝える必要があります。

来院した患者に直接ケアの方法を指導するのはもちろん、近年はYouTubeなどの動画投稿サイトを活用して、セルフケアのやり方を教えている歯科医師も増えてきています。
YouTubeを通じて歯科医自身の考え方を患者と共有できるうえに、歯科医院の利用者のすそ野を広げることにも繋がります。
向き不向きはあるかもしれませんが、検討してみてもよいかもしれません。

また、近年では、予防歯科の一環として『歯科ドック』を実施している歯科医院も増えてきています。

内容は医院によってさまざまですが、定期検診などで行うむし歯や歯周病検査のほかに、噛み合わせの診断や顎関節診断、咀嚼能力の調査、口臭検査などや、場合によっては口腔がん検査やCT撮影などを行うこともあります。
通常の歯科検診では、歯と歯の間のむし歯や限定的な歯周病など、発見できないこともありますが、歯科ドックなら、より細かな歯科疾患の芽を摘むことが期待できます。
さらに、生涯にわたって自分の歯で快適に食事ができるように、口腔内の健康維持について、より個々の生活に即したアドバイスが可能となります。

患者には、早期の精密検診によって結果的に医療費が抑えられること、歯を削ったり抜いたりすることがなくなり、歯の寿命が延びることなどのメリットを伝えていきましょう。

予防歯科に力を入れることは歯科医院の強みの一つになりますし、健康意識が高まってきている昨今において、口腔内にトラブルを抱えていない層の集患にも繋がりやすくなることでしょう。

高齢者の医療費問題など社会的な要請もあり、今後、予防歯科のニーズはますます高まっていくものと思われます。
自院の予防歯科の取り組みについて、一度見直してみてはいかがでしょうか。


※本記事の記載内容は、2021年4月現在の法令・情報等に基づいています。