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会社設立時だけではない! 役員を変更したときにも登記を忘れずに

21.04.30
業種別【不動産業(登記)】
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会社を設立するときは、法務局で設立登記の手続きをする必要がありますが、このほか、株式会社の役員に変更が生じた場合にも、その都度、役員変更登記をしなくてはなりません。
特に、許認可が必要な事業を行っている会社は、登記を怠ると許認可にも影響してしまうため注意が必要です。
今回は、役員変更登記について、必要書類や手続きの方法、費用などをご紹介します。
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登記は何のためにするのか

そもそも、なぜ会社は登記という手続きをしなければならないのでしょうか。
商業登記法第1条によれば、登記の目的は次のように規定されています。

『この法律は、商法、会社法その他の法律の規定により登記すべき事項を公示するための登記に関する制度について定めることにより、商号、会社等に係る信用の維持を図り、かつ、取引の安全と円滑に資することを目的とする』

つまり登記は、会社等の基本的な情報について公にすることにより、会社等の信用維持と取引の安全を守るためにあると分かります。
商業登記(法人登記)の登記事項を見てみても、商号、本店所在地、会社の目的、資本金の額など、会社等にとって重要かつ基本的なことばかりです。

ちなみに、こうした登記事項は、企業が取引先の情報を収集するためなどにも使われます。
たとえば、架空の会社と取引してしまうことを避けるため、取引を始める前に、その会社の登記を取り寄せて実在しているかを調べたり、登記簿にある本店所在地をGoogleマップなどで検索して、本当に営業しているかどうかを調べたりする会社も多くあります。


登記簿には役員に関する情報も記載する

法人の登記簿に記載すべき事項には、役員に関する情報もあります。
“経営に関わっている人物は誰なのか?”ということは、会社の信用度にも関わる重要なことですから、現状が正しく登記簿に反映されていなければなりません。
そのため、役員を変更したときには、変更が発生した時から2週間以内に役員変更登記をするよう定められています。

ここでいう“役員”とは、会社の業務を執行したり、監査をしたりする権限を持つ人のことをいい、会社法では取締役・監査役等のことを指します。
現在の会社法施行前は、株式会社の取締役は3人以上必要であり、監査役は1人以上必要でしたが、現在の会社法下では、取締役が最低1人いればよく、監査役は必ずしも必要ありません。

任期は原則2年(監査役は4年)ですから、役員の任期満了に伴う重任(再任)・変更の際には登記をし直す必要があります。
ほかにも、役員を解任した場合や、役員が死亡や退職、辞任した場合などにも登記を行わなくてはなりません。

なお、取締役、会計参与の任期は短縮することもできますし、取締役、監査役および会計参与の任期については、非公開会社であれば最大10年まで伸長することも可能です。


役員変更登記の手順

役員変更登記は、以下の手順で行います。

(1)株主総会を招集し、役員変更について承認決議を得る(後任者を選任する場合には株主総会の決議が必要ですが、任期満了・辞任等による退任のみ登記する場合には、株主総会の決議は不要です)
(2)承認決議から2週間以内に変更登記を行う

役員変更登記の際には、資本金が1億円以下の会社は1万円、1億円超の会社は3万円の登録免許税を納める必要があります。
また、以下のように、役員の変更があったことを証明する添付書類が求められることがあります。

●役員が解任された場合:解任決議の議事録
●役員が死亡した場合:戸籍謄抄本、死亡届
●役員が辞任した場合:辞任届や辞任を証明する議事録
●役員に欠格事由が生じた場合:欠格事由を証明する書類

もし登記内容が実際と異なったまま放置した場合は、『登記懈怠』または『選任懈怠』(役員の選任決議をせずに放置していること)の罪に問われ、100万円以下の過料の対象になってしまいます。
宅建業免許を受けている不動産会社や、建設業許可を得ている建設会社など、許認可が必要な事業を行っている場合は、許認可に影響するおそれもあります。

役員を変更した際は、登記を忘れずに行うようにしましょう。


※本記事の記載内容は、2021年4月現在の法令・情報等に基づいています。