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今こそ必要! スタッフの『心のケア』を重視した職場環境づくり

21.02.02
業種別【介護業】
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数ある職種のなかでも、人間同士が関わりあう仕事はストレスがたまりやすいといわれています。
介護職も例外ではなく、心身ともに負担のかかる職種だといえるでしょう。
ましてやコロナ禍により、介護施設のスタッフはさまざまなイレギュラー対応に追われています。
悩みや不安、ストレスなどを抱えたままでは、業務に支障をきたすこともあります。
今こそ、スタッフの心のケアに着目し、安心できる職場づくりを目指しましょう。
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責任感の強い介護スタッフに必要なケアとは

本格的な寒波の到来と共に、日本全土は新型コロナウイルス感染症(以下、新型コロナ)の流行第3波に襲われています。
新型コロナは、気温や湿度が上がれば感染者が減少し、冬場になるとウイルスが伝播しやすい状況になるといわれています。
今後しばらくの間は予断を許さない状況が続くでしょう。

このような状況のなか、医療・介護の現場においても厳しい状況が続いています。
入院患者や施設利用者は家族との面会もできず、先行きの見えない不安による孤独と閉塞感が蔓延しているなか、通常より緊張した業務にプラスして利用者等へのメンタルケアも普段以上に求められるため、相当な疲労とストレスを抱え込んでいるものと思われます。

さらに昨今、スタッフのなかには、新型コロナへの不安からうつ病などの精神疾患を患う人が急増していると聞きます。
うつ病は不安や孤独感、過労などからくる心理的ストレスと、個人の性格や行動が相互に関係し、脳内の神経伝達物質のバランスが乱れるために起こるとされており、真面目で責任感の強い人は比較的うつ病になりやすいといわれています。

特に人の生死に関わる仕事である医療・介護スタッフは責任が重く、常にストレスを抱えやすい状況で働いているといえます。
身体的な疲労を緩和することだけではなく、精神的な病を予防するためにも、まさに今、スタッフに対する『心のケア』が重要です。


相談窓口を設置する

まず、介護スタッフの心のケアのために事業所が取り組むべきことは、『相談できる職場環境』を作ることです。

働く人々にとって、職場は収入を得る場というだけではなく、コミュニティの役割も担っています。
今の時代、多くの人がSNSのコミュニティで他者とコミュニケーションを取っていますが、スマホやPCの画面にある活字や写真だけでは孤独感を癒すには十分とはいえず、人と対面し、ときに触れ合う、リアルなコミュニティの場こそが必要であるといえます。

しかし、激務に追われてストレスを抱える人たちが集まるコミュニティは、一つ間違えるとパワーハラスメントやいじめが横行する職場にもなりかねません。
そのためにも事業主とスタッフが一体となり、安心して何でも相談できる職場環境を構築することがもっとも重要なポイントとなります。

たとえば、職場としてすぐに実行できることに、相談窓口の設置があります。
抱えている悩みやストレス、職場内の人間関係などについて気兼ねなく相談できる窓口を設け、精神的な負荷がかかりすぎているスタッフを見つけ出す体制を整備します。
社内の人に相談しづらい内容は、産業医と連携したり外部の相談窓口を利用したりすることも有効な対策となります。

費用面から産業医との契約が難しい場合は、医師会が年に1~2回程度行っている無料の産業医派遣サービスが利用できる地域もありますので、所轄の医師会に確認してみるのもよいでしょう。

そのほかに、研修などでセルフケア(自己健康管理)について改めて学ぶ機会を設けることも有用です。
自身が抱えるストレスへの気づきや対処法を学ぶことで、利用者への対応はもちろん、職場の同僚・部下との適切な関係づくりについても確認することができます。

悩みやストレスによって孤独感や閉塞感に苛まれている人にとって、大切なのは“話せる場所”を作ってあげることです。
自身の話を聞いてくれる場が用意されているという事実は、多少なりともスタッフに安心感を与えるでしょう。
また、相談窓口があるからとはいえ、全員が自分から利用しに来れるとは限りません。
事業主や業務のリーダーとなる人は、スタッフの言動をよくチェックし、率先して声をかけるよう心がけましょう。

職場が『安心できるコミュニティ』であることが、介護スタッフの生活の質を向上させることに繋がります。
コロナ禍にある今こそ、事業主とスタッフが一体となり、安心できる職場環境を構築したいものです。


※本記事の記載内容は、2021年2月現在の法令・情報等に基づいています。