サービス利用時に同意を求められる『利用規約』とは何か
近年では、インターネット上のコンテンツやサービスを利用するのが当たり前のようになってきており、気軽に会員になることもよくあるのではないでしょうか。
その際に、多くの場合、同意を求められるのが『利用規約』です。
しかし、この利用規約について、深く考えずに同意をしている人が多いといわれています。
果たしてそれで問題はないのでしょうか。
今回は、利用規約がどのようなものなのか、解説していきます。
その際に、多くの場合、同意を求められるのが『利用規約』です。
しかし、この利用規約について、深く考えずに同意をしている人が多いといわれています。
果たしてそれで問題はないのでしょうか。
今回は、利用規約がどのようなものなのか、解説していきます。
利用規約を確認していなくても拘束される?
Webサービスの会員になる際などには、利用規約のページに飛ぶようにリンクが貼ってあったりするので、利用規約を目にする機会は多いでしょう。
しかし、「何だか難しそうなことが長々と書いてあるな」と思い、適当に最後までスクロールしてから、登録ボタンをクリックするという方も多いのではないでしょうか。
また、バスや鉄道などの交通機関や宅配便などを利用する際に、いちいちその事業者の利用規約をチェックしてから利用する人はほとんどいないでしょう。
『利用規約』とは、呼んで字のごとく、『利用にあたっての条件、規則、約束事が記載されたもの』をいいます。
上記のようなさまざまなサービスを利用する際には、これに同意したものとして、事業者との間に契約関係が生まれるのです。
では、利用規約の内容を確認・理解していない場合でも、利用規約に拘束されてしまうのでしょうか。
民法上、契約が成立するには、契約内容について当事者双方が理解したうえで、申込と承諾の意思表示を行う必要があります。
そして、利用規約を契約の内容とすることを合意した場合や、事業者側があらかじめその利用規約を契約の内容とする旨を利用者側に表示していた場合には、利用規約の各条項についても、合意があったものとみなされます。
インターネット上のサービスで会員登録をする際に、よく『利用規約に同意します』とのチェックボックスがあるのを見かけるのは、事業者側がこれによって“利用規約も契約の内容になる”と表示して、利用規約を合意に組み入れるためです。
つまり、利用者側も、利用規約を確認して、それでもなお契約したいかどうか、選択する機会が確保されているわけです。
簡単に読み飛ばすのはあまりよくないことだといえます。
利用者に不利な内容の利用規約でも有効?
利用規約は事業者側が勝手に作成するものなので、利用者側に著しく不利な内容になってしまうのではないかと心配になるかもしれません。
しかし、法律もきちんと利用者側の利益を保護する規程を設けており、事業者側が合意に組み入れることができる利用規約の内容には制限があります。
具体的には、民法上、利用者の権利を制限したり義務を加重したりするもので、信義則に反するようなものについては、契約の内容とならないことになっています。
たとえば、ある商品をメーカーから直接購入する場合、事業者側がその商品に関する一切の責任を負わないという条項があったとしても、そのような利用者側の権利を著しく制限するような条項については、効力が生じないということになります。
ほかにも、仮に裁判になった場合の裁判所の管轄の合意や、過大な違約金の支払義務が利用者側に生じる条項といったものがあったとします。
この場合、ケースバイケースにはなりますが、利用規約に記載があったとしても、効力が生じない可能性があります。
利用規約は、「長いうえに分かりにくい」と感じられることが多く、会員登録時などにきちんと読まれないことが多いという実態があります。
しかし、事業者側との間にトラブルが起きた場合には、利用規約の内容に拘束される可能性があるということは、頭に入れておかなくてはなりません。
自分の身を守るためには、できる限り利用規約に目を通すことが望ましいでしょう。
※本記事の記載内容は、2020年11月現在の法令・情報等に基づいています。
Webサービスの会員になる際などには、利用規約のページに飛ぶようにリンクが貼ってあったりするので、利用規約を目にする機会は多いでしょう。
しかし、「何だか難しそうなことが長々と書いてあるな」と思い、適当に最後までスクロールしてから、登録ボタンをクリックするという方も多いのではないでしょうか。
また、バスや鉄道などの交通機関や宅配便などを利用する際に、いちいちその事業者の利用規約をチェックしてから利用する人はほとんどいないでしょう。
『利用規約』とは、呼んで字のごとく、『利用にあたっての条件、規則、約束事が記載されたもの』をいいます。
上記のようなさまざまなサービスを利用する際には、これに同意したものとして、事業者との間に契約関係が生まれるのです。
では、利用規約の内容を確認・理解していない場合でも、利用規約に拘束されてしまうのでしょうか。
民法上、契約が成立するには、契約内容について当事者双方が理解したうえで、申込と承諾の意思表示を行う必要があります。
そして、利用規約を契約の内容とすることを合意した場合や、事業者側があらかじめその利用規約を契約の内容とする旨を利用者側に表示していた場合には、利用規約の各条項についても、合意があったものとみなされます。
インターネット上のサービスで会員登録をする際に、よく『利用規約に同意します』とのチェックボックスがあるのを見かけるのは、事業者側がこれによって“利用規約も契約の内容になる”と表示して、利用規約を合意に組み入れるためです。
つまり、利用者側も、利用規約を確認して、それでもなお契約したいかどうか、選択する機会が確保されているわけです。
簡単に読み飛ばすのはあまりよくないことだといえます。
利用者に不利な内容の利用規約でも有効?
利用規約は事業者側が勝手に作成するものなので、利用者側に著しく不利な内容になってしまうのではないかと心配になるかもしれません。
しかし、法律もきちんと利用者側の利益を保護する規程を設けており、事業者側が合意に組み入れることができる利用規約の内容には制限があります。
具体的には、民法上、利用者の権利を制限したり義務を加重したりするもので、信義則に反するようなものについては、契約の内容とならないことになっています。
たとえば、ある商品をメーカーから直接購入する場合、事業者側がその商品に関する一切の責任を負わないという条項があったとしても、そのような利用者側の権利を著しく制限するような条項については、効力が生じないということになります。
ほかにも、仮に裁判になった場合の裁判所の管轄の合意や、過大な違約金の支払義務が利用者側に生じる条項といったものがあったとします。
この場合、ケースバイケースにはなりますが、利用規約に記載があったとしても、効力が生じない可能性があります。
利用規約は、「長いうえに分かりにくい」と感じられることが多く、会員登録時などにきちんと読まれないことが多いという実態があります。
しかし、事業者側との間にトラブルが起きた場合には、利用規約の内容に拘束される可能性があるということは、頭に入れておかなくてはなりません。
自分の身を守るためには、できる限り利用規約に目を通すことが望ましいでしょう。
※本記事の記載内容は、2020年11月現在の法令・情報等に基づいています。