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『人手不足対応ガイドライン』と『対応事例集』で人手不足解消!

20.08.07
ビジネス【人的資源】
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少子高齢化による労働者の減少で、多くの中小企業では人手不足が深刻な問題となっています。
これを受け、中小企業庁では中小企業の人手不足を解消する目的で、『中小企業・小規模事業者人手不足対応ガイドライン(改訂版)』と『中小企業・小規模事業者の人手不足対応事例』を取りまとめました。
今回はこれらの資料をもとに、高齢者や育児中の女性など多様な働き手が活躍できる職場づくりや、ITや設備の導入による生産性向上など、多角的な面から人手不足解消のための具体的な事例を紹介します。
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人手不足解消のための5つのステップ

現在、日本の企業における人手不足は過去最高水準で、今後もその傾向は続いていくといわれています。
労働政策研究・研修機構の調査においても、中小企業における経営課題について、多くの企業が『必要な人材の不足』『従業員の育成、能力開発』『人手不足』をあげていることがわかりました。

これを受け、中小企業庁は2017年に『人手不足対応ガイドライン』と『人手不足対応事例』を作成し、さらに2020年5月に改訂版を公表しました。
ガイドラインでは、現在の中小企業を取り巻く労働環境の変化などを踏まえ、人手不足を乗り越えた200を超える企業の事例を分析し、研究会での議論なども踏まえて、あらためて中小企業が人手不足に対応していくなかでの考え方やポイントなどを、整理して提案しています。

ガイドラインでは、まず人手不足対応に関する考え方を、以下の5つのステップに分けて紹介しています。

1.経営課題を見つめ直す
2.経営課題を解決するための方策を検討する
3.求人像や人材の調達方法を明確化する
4.求人・採用/登用・育成(人材に関する取り組みの実施)
5.人材の活躍や定着に向けたフォローアップ

この5つのステップを中小企業の取り組み事例とともに解説し、ほかの段階を意識しながら、できるところから取り組むように促しています。

現在、自社の人手不足の現状を把握していない事業主にとっては、人手不足解消のための一助になることは間違いないでしょう。


100企業から事例を集めた『人手不足への対応事例』

『中小企業・小規模事業者の人手不足への対応事例』は、業種別、企業規模別、地域別、創業からの期間別で検索できるようになっており、自社の経営課題に類似した事例が参照しやすくなっています。
実在する企業の具体的な取り組みを幅広く紹介しているため、似たような状況にある企業にとっては非常に参考になる資料といえるでしょう。

たとえば、ある教育関係の企業では、契約社員を正社員に転換する『短時間正社員制度』を導入しました。
この制度は、優れた能力や経験があるにもかかわらず、育児と仕事の両立が難しい女性を活かすためのもので、時間の制約があっても能力を活かして働き続けられるように、6時間または6.5時間という短時間の労働時間を設定し、契約社員を積極的に正社員に転換しました。
その結果、従業員のモチベーションと定着率がアップし、結果的に人手不足解消に繋がったとしています。

ほかにも、人手不足が慢性化している建設会社では、能力とやる気があれば、何歳になっても働けるように、『定年退職制度』を廃止。
定年を設けず、年齢による処遇変更をしないように勤務環境を整備しました。
これにより、働く意欲に富んだ高齢者が継続して働けるようになり、過去には80歳を超える社員も在籍していたそうです。

このように、人手不足への対応事例では、取り組みの内容や、どのような効果が出たのかを紹介しています。

また、設問に回答することで、経営課題を抽出し、人材活用の方針を立てることができる『人材確保支援ツール』も同時に公開されています。
人手不足への対応事例、ガイドラインとともに中小企業庁のホームページで閲覧できますので、人手不足を解消したい事業主は参考にしてみてはいかがでしょうか。

出典:中小企業庁ホームページ
●中小企業・小規模事業者人手不足対応ガイドライン(改訂版)
https://www.chusho.meti.go.jp/keiei/koyou/2020/200522hitodebusokugl_press.html

●中小企業・小規模事業者の人手不足対応事例
https://www.chusho.meti.go.jp/keiei/koyou/2020/200522hitodebusoku_jirei.pdf


※本記事の記載内容は、2020年8月現在の法令・情報等に基づいています。