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売上減少につき、メニューを値上げする際のポイント

20.08.03
業種別【飲食業】
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消費税率の引き上げに伴い、飲食店の6割が値上げを決断した2019年10月。
2020年に入ってから新型コロナウイルス感染拡大の影響で売上が落ちたことも含め、今からの値上げを予定している店舗も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、値上げをする際はどのようなことに気をつけたらよいのか、利用者に受け入れられやすい価格改定のポイントを解説します。
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利用者が納得のいく『値上げの理由』

2019年10月、消費税が8%から10%に引き上げられました。
飲食店ではテイクアウトが軽減税率対象となっていますが、店内での飲食は一律10%の消費税が加算されます。
飲食店側としても原材料や備品の購入にかかるコストが増えるため、増税のタイミングで値上げをした飲食店も多くありました。

一般的に、値上げは『客離れ』による売上減少がデメリットとなります。
しかし、消費税率引き上げ分の値上げは、消費者にとって理解できる、いわば“しかたのない”値上げであり、心証はさほど悪くなりません。
反対に、増税や需給・コストの変動等以外に合理的な理由もなく、値上げに踏み切ってしまうと、利用者は一方的に金額を上乗せされたような気持ちになり、心証はあまりよくないのです。

つまり、大切なのは、利用者が客観的に納得できる『値上げの理由』をきちんと説明することです。


客離れを回避する『メニュー値上げ』の具体例

増税にかかわらず、一般的な食材価格の上昇に伴い、仕入れコストの高騰は飲食店経営者を長く悩ませているテーマです。
値上げは不本意であろうとも 「仕方がない」と是認し、切り替えていくしかありません。

では、具体的にどのように値上げを実行していけばよいのでしょうか。
たとえば、『安さ』をウリにしている飲食店の場合は、値上げすることで長所が失われてしまう心配があります。
その場合は、店内で最も高額なメニューから値上げしていきましょう
2本で150円の焼き鳥を250円に引き上げるよりも、一皿ワンコインの盛り合わせを600円に値上げするほうが、“食材を改善した”などの主張が成立します。
また、『味』や『食材』をウリにしている場合は、値上げをしたメニューの付加価値を高めるのもポイントです。
見た目も食材も変わらないまま値上げをするのではなく、食材を少し格上げしたり、提供する料理の量を増やしたりと、利用者が損を感じないような工夫をします。

こうした、一目で伝わる値上げ前との変化があると、より利用者にメニュー値上げを受け入れてもらいやすくなります。
そして、売上全体のバランスを保つためにも、一部のメニューを逆に“値下げする”こともテクニックの一つ。
すべてのメニューを一斉に引き上げるのではなく、各メニューの人気度を研究し、『値上げ』『据え置き』『値下げ』のバランスを考えて戦略を立てていきましょう。


withコロナのなかで値上げをする際の留意点

新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、飲食業界でもショッキングなニュースが続いています。
アメリカでは実際に、25%の飲食店が廃業に追い込まれたという報道もありました。
日本でも売上が激減し、外出自粛によって客足は途絶え、テイクアウトの売上でしのいでいた飲食店は少なくありません。
稼ぎ時の歓送迎会時期や春休み、ゴールデンウィークに営業できず、赤字を挽回するため値上げに踏み切ろうと思案する経営者もいるでしょう。

ここでも、利用者が納得できる理由付けが必要です。
「コロナのせいで」と安易に公言せず、「コロナ禍により、食用油の輸入価格が高騰したため値上げします」など具体的に示しましょう。

料理の味や店の雰囲気はもちろん、それに見合った料金として利用者に納得してもらうことが、客足の引き留めに繋がります。
値上げのきっかけはさまざまですが、決行するうえで最も大切なのは、『正直で合理的な値上げの理由』であることを忘れないようにしましょう。


※本記事の記載内容は、2020年8月現在の法令・情報等に基づいています。