従業員への『解雇予告手当』の計算方法と注意点とは?
新型コロナウイルスなどの影響によって経営難に陥り、これ以上従業員を雇用し続けることがむずかしい場合、経営者は従業員を解雇することができます。
ただし、従業員には事前に解雇日の通達を行い、解雇予告手当を支払わなければなりません。
では、どのぐらい前から通達を行い、どのぐらいの額の解雇予告手当を支払う必要があるのでしょうか。
従業員を解雇する際に知っておきたい、解雇予告手当の詳細について、紹介していきます。
ただし、従業員には事前に解雇日の通達を行い、解雇予告手当を支払わなければなりません。
では、どのぐらい前から通達を行い、どのぐらいの額の解雇予告手当を支払う必要があるのでしょうか。
従業員を解雇する際に知っておきたい、解雇予告手当の詳細について、紹介していきます。
解雇予告手当を支払う必要のあるケース
会社が従業員を解雇する理由はさまざまあり、それに伴って解雇の名称も異なります。
たとえば、従業員が会社内の秩序を著しく乱した場合や、会社に対して故意に不利益をもたらす行為があった場合などは、その従業員を『懲戒解雇』することができます。
また、従業員が病気や怪我などにより勤務不能になってしまった場合や業務成績が著しく悪い場合などには、『普通解雇』を行うことになります。
ほかにも、従業員に非はなく、会社の経営悪化などによって仕方なく従業員を解雇しなくてはならない場合の『整理解雇』などもあります。
いずれにせよ、労働契約法では従業員を解雇するには、客観的合理性と、社会的相当性のある理由が必要であると定められています。
そのため、これを無視して従業員を解雇するとトラブルになり、最悪の場合、裁判にまで発展してしまい、無効と判断されたら、その間の賃金の支払いが命ぜられることもあります。
さらに、客観的合理性と社会的相当性のある理由があった場合でも、解雇日の少なくとも30日以上前に、その従業員に対して解雇の予告をしなければいけません。
もし30日前に予告をしない場合は、30日分以上の平均賃金を支払う必要があります(労働基準法20条)。
この手当を『解雇予告手当』と呼びます。
解雇予告が解雇日の30日前を切っている場合は?
解雇日の29日前から1日前に解雇の予告をした場合は、解雇日までの日数によって『解雇予告手当』の金額が異なります。
その額は下記の計算方法で求めることができます。
1日分の平均賃金×(30日-解雇予告から解雇日までの日数)
たとえば、6月30日を解雇日に設定したとします。
6月20日に従業員に解雇を告げた場合は、20日分の『解雇予告手当』を支払う必要が出てきます。
どうしても解雇を告げた日に解雇したい場合には、少なくとも30日分の『解雇予告手当』を支払う必要がありますし、逆に30日前までにきちんと解雇を告げていれば、『解雇予告手当』を支払う必要はありません。
1日分の平均賃金は、解雇日からさかのぼって3カ月分の総支給額を3カ月分の日数で割ったものです。
上記の例に照らし合わせると、1日分の平均賃金が1万円の従業員には、20万円の『解雇予告手当』を支払うことになります。
ちなみに、特別なケースとして、下記の従業員については、解雇予告をせずに解雇してもよいことになっています。
・日雇い労働者(雇用期間が1カ月未満)
・2カ月以内の期間を定めて使用される者
・季節的業務に4カ月以内の期間を定めて使用される者
・試用期間中の者(14日未満)
解雇予告が不要ということは、解雇予告手当も必要ありません。
しかし、客観的合理性と社会的相当性のある理由は必要です。
『気に入らないから』『思う通りに働かないから』などの個人的な意見で解雇することは禁じられています。
解雇予告手当はいつ支払えばいい?
解雇予告手当は、原則的に解雇を言い渡した日に支払うように定められています。
通達で『解雇の予告にかかわる30日分以上の平均賃金は解雇の申渡しと同時に支払うべきものである』(昭23.3.17 基発464号)とされています。
会社の経営状態もあるため、「その従業員の給与支払日に、給与と併せて解雇予告手当を支払いたい」と考える経営者も少なくありませんが、基本的には解雇を告げたら、すぐに『解雇予告手当』を支払いましょう。
従業員の解雇には、コストも労力もかかります。
場合によっては、裁判沙汰になるケースも少なくありません。
まずは従業員ともよく話し合ったうえで、解雇を回避する方法を探り、解雇は最終的な手段にしておきましょう。
※本記事の記載内容は、2020年5月現在の法令・情報等に基づいています。
会社が従業員を解雇する理由はさまざまあり、それに伴って解雇の名称も異なります。
たとえば、従業員が会社内の秩序を著しく乱した場合や、会社に対して故意に不利益をもたらす行為があった場合などは、その従業員を『懲戒解雇』することができます。
また、従業員が病気や怪我などにより勤務不能になってしまった場合や業務成績が著しく悪い場合などには、『普通解雇』を行うことになります。
ほかにも、従業員に非はなく、会社の経営悪化などによって仕方なく従業員を解雇しなくてはならない場合の『整理解雇』などもあります。
いずれにせよ、労働契約法では従業員を解雇するには、客観的合理性と、社会的相当性のある理由が必要であると定められています。
そのため、これを無視して従業員を解雇するとトラブルになり、最悪の場合、裁判にまで発展してしまい、無効と判断されたら、その間の賃金の支払いが命ぜられることもあります。
さらに、客観的合理性と社会的相当性のある理由があった場合でも、解雇日の少なくとも30日以上前に、その従業員に対して解雇の予告をしなければいけません。
もし30日前に予告をしない場合は、30日分以上の平均賃金を支払う必要があります(労働基準法20条)。
この手当を『解雇予告手当』と呼びます。
解雇予告が解雇日の30日前を切っている場合は?
解雇日の29日前から1日前に解雇の予告をした場合は、解雇日までの日数によって『解雇予告手当』の金額が異なります。
その額は下記の計算方法で求めることができます。
1日分の平均賃金×(30日-解雇予告から解雇日までの日数)
たとえば、6月30日を解雇日に設定したとします。
6月20日に従業員に解雇を告げた場合は、20日分の『解雇予告手当』を支払う必要が出てきます。
どうしても解雇を告げた日に解雇したい場合には、少なくとも30日分の『解雇予告手当』を支払う必要がありますし、逆に30日前までにきちんと解雇を告げていれば、『解雇予告手当』を支払う必要はありません。
1日分の平均賃金は、解雇日からさかのぼって3カ月分の総支給額を3カ月分の日数で割ったものです。
上記の例に照らし合わせると、1日分の平均賃金が1万円の従業員には、20万円の『解雇予告手当』を支払うことになります。
ちなみに、特別なケースとして、下記の従業員については、解雇予告をせずに解雇してもよいことになっています。
・日雇い労働者(雇用期間が1カ月未満)
・2カ月以内の期間を定めて使用される者
・季節的業務に4カ月以内の期間を定めて使用される者
・試用期間中の者(14日未満)
解雇予告が不要ということは、解雇予告手当も必要ありません。
しかし、客観的合理性と社会的相当性のある理由は必要です。
『気に入らないから』『思う通りに働かないから』などの個人的な意見で解雇することは禁じられています。
解雇予告手当はいつ支払えばいい?
解雇予告手当は、原則的に解雇を言い渡した日に支払うように定められています。
通達で『解雇の予告にかかわる30日分以上の平均賃金は解雇の申渡しと同時に支払うべきものである』(昭23.3.17 基発464号)とされています。
会社の経営状態もあるため、「その従業員の給与支払日に、給与と併せて解雇予告手当を支払いたい」と考える経営者も少なくありませんが、基本的には解雇を告げたら、すぐに『解雇予告手当』を支払いましょう。
従業員の解雇には、コストも労力もかかります。
場合によっては、裁判沙汰になるケースも少なくありません。
まずは従業員ともよく話し合ったうえで、解雇を回避する方法を探り、解雇は最終的な手段にしておきましょう。
※本記事の記載内容は、2020年5月現在の法令・情報等に基づいています。