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従業員の健康管理を生産性向上につなげる『健康経営』とは?

20.03.10
ビジネス【人的資源】
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近年、従業員のうつ病や燃え尽き症候群を引き起こしてしまっている企業が少なくありません。
そこで、経済産業省は、従業員などの健康管理を経営的な視点で考え、戦略的に実践する『健康経営』という考え方を推進しています。
健康経営を行うことで、生産性の向上や離職率の低下などが期待できるといわれていますが、実際のところはどのような効果があるのでしょうか。
『健康経営』にまつわる企業側の取り組みと共に、その効果を紹介します。
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健康経営によるメリットとは?

経済産業省が『健康経営』という考え方を推進する背景には、国民の高齢化による国民医療費の拡大や、労働力人口の減少などがあります。
そして、これらの対応策の一つとして、『健康経営』が掲げられています。

経済産業省では、健康経営に取り組んでいる企業を評価する『健康経営優良法人認定制度』を創設。
認定を行うことで、制度や『健康経営』という概念自体を広く知らしめる狙いがあります。
認定の基準に関しては経済産業省のホームページに掲載されています。

健康経営によって、従業員の健康が守られ、結果として生産性の向上や離職率の低下、さらには、企業のイメージアップなどのメリットがもたらされるといわれています。


健康経営を進める手順とは?

では、企業として、どのように進めていけばよいのでしょうか。

まず、自社が取り入れる必要があるかどうかをチェックしましょう。
たとえば、病気などによる長期の休業者が多い企業や、ストレス値が高いと診断された社員が多い企業、さらには、中高年の社員が多い企業などは、率先して健康経営を取り入れていく必要があるといえます。

自社に必要だと認識すれば、あとは実行していくだけです。

健康経営とは、毎年の健康診断や休暇や休息の促進だけではなく、セミナーや研修などのさまざまな取り組みを行うことを指します。

まず全社員へ向けて、健康経営を行っていくことを告知したうえで、アンケートやヒアリングなどで社内の健康面での課題を洗い出します。

健康面での課題としては、一般的に

・残業が多く疲労が取れない
・長時間労働による睡眠不足
・人間関係によるストレス
・座りっぱなしによる運動不足
・健康診断の受診率の低さ
・ハラスメントによる心の問題
・受動喫煙

などがあります。

これらの課題を洗い出したら、その課題を解決するための計画を立て、実行していきます。
たとえば、『健康診断の受診率の低さ』が課題としてあがっていれば、健康に関する研修やセミナーなどを行い、健康診断の大切さを訴えたり、『座りっぱなしによる運動不足』が課題であれば、勤務時間のなかで、運動やストレッチの時間を設けたり、それぞれの課題に対応した取り組みを行っていきます。
そして最後には、その施策が効果的だったのかどうかの評価を行い、次の施策に活かすというプロセスを踏みます。


『優良法人』に認定されるための取り組み

さらに、ノー残業デーや、医師によるコンサルティング、健康に関する研究会の発足、運動習慣の啓蒙活動など、実際に、経済産業省が『健康経営優良法人』と認定した法人では、さまざまな取り組みが行われています。

たとえば、経済産業省の『健康経営優良法人 取り組み事例集』によれば、北海道の土木工事などを手掛ける及川産業では、従業員の安全への意識・健康への意識を高めるための『安全大会』の毎月の実施、年に一度の産業医の講演、定期健診の推奨の工夫、休日年間カレンダーによる従業員の休日の調整などが行われています。

また、大分の建設会社・明大工業では、産業医からの意見聴取、毎日のラジオ体操、ウォーキングイベントへの参加などの施策が行われ、高く評価されています。

このほかにも、経済産業省のホームページにて、企業の取り組み事例が掲載されています。
自社の参考にするためにも、一度、チェックしてみてはいかがでしょうか。

このように、現在、中小企業から大企業までさまざまな企業が健康経営に取り組んでいます。
しかし、経営者が主体となり、従業員に呼びかける形でしか、なし得ることはできないのです。
まずは従業員の健康状態や、ストレスなどを確認し、自社の課題を洗い出すことから始めてみてはいかがでしょうか。


※本記事の記載内容は、2020年3月現在の法令・情報等に基づいています。