テレワークを導入したい! そのために必要な実務対応とは?
昨今、従業員の勤務形態を柔軟化・多様化させる方向へと社会が動いています。
そのような状況において、たとえば、育児休業明けの従業員からテレワークの希望が出されるといった事例も増えているといいます。
そこで今回は、企業がテレワークを導入するにあたっての法律上の留意点について考えてみましょう。
そのような状況において、たとえば、育児休業明けの従業員からテレワークの希望が出されるといった事例も増えているといいます。
そこで今回は、企業がテレワークを導入するにあたっての法律上の留意点について考えてみましょう。
テレワークには3つの形態がある
テレワークとは、専門的な言い回しでは『従業員が情報通信技術を利用して事業場の外で勤務をすること』をいいます。
厚生労働省が定めたテレワークに関するガイドラインでは、テレワークには次のような形態があると整理されています。
(1)在宅勤務(自宅から情報通信機器などを利用して勤務させる形態)
(2)サテライトオフィス勤務(自宅付近や通勤途中の場所に設けられたオフィスで勤務させる形態)
(3)モバイル勤務(従業員の選択した場所から情報通信技術を利用した勤務をさせる形態)
こういったテレワークの導入は、従業員と企業の双方にメリットがあるとされています。
従業員にとっては、通勤の負担が減ることや働き方の選択肢が増えることによってストレスが軽減されることや、子育て・介護・病気療養等と仕事の両立がしやすくなることなどがメリットとしてあげられるでしょう。
時間を有効に使い、効率よく働くことが可能となります。
また、企業にとっても、生産性の向上、それによる長時間労働の是正、コスト削減、女性のキャリアアップの推進、高齢者や通勤困難者の雇用などの面でメリットがあるでしょう。
また、テレワークを取り入れているということ自体により、従業員の働き方に配慮する企業であるという認知が進み、企業ブランドが向上するという効果も見込めます。
他方で、テレワークを導入するためには、人事労務管理上の問題をクリアする必要があり、そのための法的対応が求められます。
テレワーク導入に必要な法的対応とは
まず、労働基準法の側面で問題となるのは、たとえば以下のような点です。
・労働者に対する就業場所の明示(同法15条)
・始業時間や終業時間をどう管理するか(始業・終業連絡の方法をどうするか)
・中抜け時間(テレワーク中に従業員が業務から離れる時間)をどのように扱うのか
これらの取り扱いを法律に沿うように適切に行うためには、就業規則を改定したり、労使協定で別途合意したりといった実務的対応が必要になります。
また、テレワークを行うということは、業務上の情報が会社の施設外で取り扱われることになります。
そのため、適切な情報管理を徹底しなくてはなりません。
情報漏えいなどのトラブルが起こらないように、また、トラブルが生じたとしても会社が情報管理措置を怠っていなかったと言えるように、社外における情報の保管・処理等について明確な規程を策定し、これを周知しましょう。
使用する機器やシステムの管理・限定といったことも重要です。
特に、従業員が個人的に所有する情報端末を使用させるような場合は、慎重な対策が不可欠です。
テレワークを会社制度にうまく組み込んでいくためには、上記のような法的対応以外にも、多くの検討事項が出てくるでしょう。
テレワーク勤務時の費用負担について、在宅勤務の光熱費等の手当を支給するのかどうかといったことや、災害時や情報通信機器が不具合を起こした場合の連絡体制はどうするのかなど、その内容は多岐に渡ります。
しかし、今後、社会環境として、労働力のさらなる減少が予想されるところでもありますので、会社の人材確保、業務効率化などの面から、テレワーク導入のメリットは大きいものとなるはずです。
もし、まだテレワークを導入していないようでしたら、業務フローに即した導入を検討してみてはいかがでしょうか。
※本記事の記載内容は、2019年11月現在の法令・情報等に基づいています。
テレワークとは、専門的な言い回しでは『従業員が情報通信技術を利用して事業場の外で勤務をすること』をいいます。
厚生労働省が定めたテレワークに関するガイドラインでは、テレワークには次のような形態があると整理されています。
(1)在宅勤務(自宅から情報通信機器などを利用して勤務させる形態)
(2)サテライトオフィス勤務(自宅付近や通勤途中の場所に設けられたオフィスで勤務させる形態)
(3)モバイル勤務(従業員の選択した場所から情報通信技術を利用した勤務をさせる形態)
こういったテレワークの導入は、従業員と企業の双方にメリットがあるとされています。
従業員にとっては、通勤の負担が減ることや働き方の選択肢が増えることによってストレスが軽減されることや、子育て・介護・病気療養等と仕事の両立がしやすくなることなどがメリットとしてあげられるでしょう。
時間を有効に使い、効率よく働くことが可能となります。
また、企業にとっても、生産性の向上、それによる長時間労働の是正、コスト削減、女性のキャリアアップの推進、高齢者や通勤困難者の雇用などの面でメリットがあるでしょう。
また、テレワークを取り入れているということ自体により、従業員の働き方に配慮する企業であるという認知が進み、企業ブランドが向上するという効果も見込めます。
他方で、テレワークを導入するためには、人事労務管理上の問題をクリアする必要があり、そのための法的対応が求められます。
テレワーク導入に必要な法的対応とは
まず、労働基準法の側面で問題となるのは、たとえば以下のような点です。
・労働者に対する就業場所の明示(同法15条)
・始業時間や終業時間をどう管理するか(始業・終業連絡の方法をどうするか)
・中抜け時間(テレワーク中に従業員が業務から離れる時間)をどのように扱うのか
これらの取り扱いを法律に沿うように適切に行うためには、就業規則を改定したり、労使協定で別途合意したりといった実務的対応が必要になります。
また、テレワークを行うということは、業務上の情報が会社の施設外で取り扱われることになります。
そのため、適切な情報管理を徹底しなくてはなりません。
情報漏えいなどのトラブルが起こらないように、また、トラブルが生じたとしても会社が情報管理措置を怠っていなかったと言えるように、社外における情報の保管・処理等について明確な規程を策定し、これを周知しましょう。
使用する機器やシステムの管理・限定といったことも重要です。
特に、従業員が個人的に所有する情報端末を使用させるような場合は、慎重な対策が不可欠です。
テレワークを会社制度にうまく組み込んでいくためには、上記のような法的対応以外にも、多くの検討事項が出てくるでしょう。
テレワーク勤務時の費用負担について、在宅勤務の光熱費等の手当を支給するのかどうかといったことや、災害時や情報通信機器が不具合を起こした場合の連絡体制はどうするのかなど、その内容は多岐に渡ります。
しかし、今後、社会環境として、労働力のさらなる減少が予想されるところでもありますので、会社の人材確保、業務効率化などの面から、テレワーク導入のメリットは大きいものとなるはずです。
もし、まだテレワークを導入していないようでしたら、業務フローに即した導入を検討してみてはいかがでしょうか。
※本記事の記載内容は、2019年11月現在の法令・情報等に基づいています。