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社員のストレスを軽減させる『ストレスコーピング』とは?

19.09.24
ビジネス【人的資源】
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メンタルヘルスケアの手法の一つに『ストレスコーピング』というものがあります。
“コーピング”は、英語で『対応すること』や『切り抜けること』。
つまり、ストレスコーピングは『ストレスに対応する方法』ということになります。
具体的にはどんなものなのでしょうか?
今回は、このストレスコーピングについてご紹介します。
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ストレスフルな社会を乗り切る対処法

現代社会では多くのビジネスパーソンが、何かしらのストレスを感じています。
原因は仕事の内容そのものだったり、同僚や上司、取引先などとの人間関係だったり、さまざまです。
そもそも皆さんが当たり前のように口にしている“ストレス”とは、いったい何なのでしょうか?

ストレスとは、『外部からの刺激で、心や体に負担がかかること』を指します。
会社でストレスを感じる状況としてよくあるのは、たとえば、苦手な仕事を請け負ったときや、これまでとは異なる環境に身を置かなければならなくなったとき、あるいは上司からパワハラを受けたときなどでしょう。
このような、外部からの刺激で押しつぶされそうになったり、落ち込んだ気分になったりしたときが、まさにストレスを感じている状態といえます。

長期間ストレスに身を晒すと、心身ともに健康に悪影響をおよぼすことがわかっています。
心が落ち込むだけではなく、たとえば自律神経の乱れや不眠、免疫力の低下など、体にも害を与えます。
さらに酷くなっていくと、うつ病や内臓疾患など、深刻な病気を発症する可能性も高まります。
体に実害が出る前に、できるだけストレスを軽減しておきたいところです。

ストレスコーピングとは、ストレスに対処する方法として、メンタルヘルスケアの世界で使われている手法で、近年、従業員のストレス軽減や解消のために導入する企業が増えています。
 

原因に対処する方法と内面で対処する方法

ストレスコーピングには、大別して以下の二つの種類があります。

・問題焦点型コーピング
ストレスの原因に焦点を当てた方法です。
どんなストレスにも原因があり、それを自分が認知することで、心や体に反応が出ます。
『問題焦点型コーピング』は、このストレスの根本である原因を解決していこうとする手法です。
たとえば、従業員が『苦手な仕事』に対してストレスを感じているのであれば、そのプロジェクトから外したり、誰かサポートをつけたりします。
上司と反りが合わないことで従業員がストレスを感じているのであれば、配置転換を行ったり、その従業員と上司の話し合いの場を設けたりするなどの対処もあります。

・情動焦点型コーピング
ストレスの原因に着目するのではなく、ストレスを感じている人自身の内面に解決を求める方法です。
前述の『苦手な仕事』にストレスを感じている従業員がいた場合は、『誰にでも嫌な仕事はある』や『望む仕事をそのうちできるようになる』と、本人のストレスの原因をストレスと受け止めないよう、気持ちや価値観などの認知を少しずつ転換させていきます。
人事的な配置転換などでは対応できなかったり、従業員が過度に失敗を恐れていたりするケースなどに有効です。


導入する前にやっておくべきこととは

前述の二つのうち、どちらのストレスコーピングを導入するかは、会社の実情によりますが、取り入れる前に今一度見直しておきたいのが、各従業員が抱えているストレスの内容を把握しておくことです。
誰がどんなことで悩んでいるのかわからなかったり、そもそも悩みを表に出しづらい空気があったりするような職場では、ストレスコーピングを形式的に導入したとしても、効果は見込めません。
たとえば、従業員の悩みを聞いてくれたり、具体的に問題を解決してくれたりするような人、いわゆる『メンター』を社内で決めておくのも一つの手です。
企業によっては、プロの心理カウンセラーにこのメンターをお願いしているところもあります。
ほかにも、ストレスコーピングの講習会を定期的に行うことで、社員同士がそれぞれのストレスを認知し、悩みを相談しやすくしている企業もあります。

企業側から見ても、従業員のストレスは業務の妨げとなり、生産性の低下につながる“百害あって一利なし”のもの。
従業員が悩みを話しやすい環境づくりも含めて、ぜひ一度ストレスコーピングの導入を検討されてみてはいかがでしょうか。


※本記事の記載内容は、2019年9月現在の法令・情報等に基づいています。