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離婚後の破産手続きで財産分与、未払いの財産的給付はどうなる?

19.08.13
ビジネス【法律豆知識】
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離婚する際、財産分与や財産的給付について話し合います。 
双方で納得して決まったことでも、離婚後、あまり間をおかないタイミングで相手方が破産手続きを取るという場合もあり得ます。 
そのような場合、離婚に際して約束した財産的な給付はどうなるのでしょうか。 
そこで今回は、財産分与の否認権行使の有無、未払いの財産的給付がある場合について解説します。
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財産分与は否認権行使の対象となるか?

破産手続きが開始されるより前に、離婚が成立し、財産分与が行われる場合があります。
債務が支払い不能となった以降に行われた一部の債権者に対する財産給付行為は、否認権行使の対象になる可能性があり、行使された場合には、給付を受けた財産を破産財団に戻さなければならなくなります。

通常、婚姻や縁組、相続の承認・放棄などは、身分行為であり、他人の意思によって強制すべきではないという趣旨から、否認権の対象にはなりません。
しかし、財産分与は単なる身分行為ではなく、財産の処分行為としての性格も持っていることから、否認権行使の対象になるのかが問題となります。

この点、財産分与は、夫婦の共同財産の精算のほか、離婚後の扶養の要素や、慰謝料の要素も考慮に入れて算定できるとされていることから、このような財産分与の性格をふまえても、不相当に高額な場合に限り、否認権行使の対象になるものとされています。
したがって、破産者名義の財産を減らす目的で、財産の大半を妻に渡して離婚するような財産分与は、後々、管財人に否認権を行使されて、なかったことになってしまう可能性が高いので、注意が必要です。


未払いの財産的給付がある場合は?

離婚時に、養育費、慰謝料、解決金などの支払いを約束することがありますが、これらが支払われないうちに、義務者が破産手続きを取った場合はどうなるのでしょう。
この点、養育費以外の財産的給付の債務は、基本的に一般破産債権として扱われることになりますので、免責の対象となり、たとえ調停や裁判で離婚して債務名義がある場合であっても、義務者の破産後に支払いを受けることは、原則できなくなります。

一方、養育費は、非免責債権(破産法253条1項4号)となるため、義務者が破産し、免責許可を受けた後であっても、支払いを求めることができます。
ただ、義務者の経済状況が悪化していれば、養育費の減額請求が認められる可能性もありますので、養育費であっても安心できないのが現実です。

離婚時に約束した財産的給付が滞る場合には、早急に動くようにしましょう。
 

※本記事の記載内容は、2019年8月現在の法令・情報等に基づいています。