あなたの会社にもいませんか? モンスター社員の取扱説明書
近年、『モンスター社員』という言葉が注目を集めています。
明確な定義はありませんが、自分勝手に物事を考え、周囲の迷惑を顧みず、業務に多大な支障をきたし、会社に損失を与えるのがモンスター社員といえるかもしれません。
恐ろしいことに、現在、増加傾向にあるという彼らの対処法を紹介していきます。
明確な定義はありませんが、自分勝手に物事を考え、周囲の迷惑を顧みず、業務に多大な支障をきたし、会社に損失を与えるのがモンスター社員といえるかもしれません。
恐ろしいことに、現在、増加傾向にあるという彼らの対処法を紹介していきます。
モンスター社員という言葉の語源
モンスター社員とは、2000年頃に登場した『モンスターペアレント』から派生した言葉だといわれています。
モンスターペアレントとは、学校に対して理不尽な要求や過度なクレームをつけてくる親のことを指します。
モンスター社員とは、まさにこのモンスターペアレントの社員版と言えるでしょう。
会社は、一度、従業員と雇用契約を結ぶと簡単には解雇できません。
経営者側が従業員を解雇する場合は、傍から見て合理的な理由が必要であり、解雇することが妥当な処置だと認められなければ、解雇は無効になります。
一方で、従業員は労働基準法で守られており、さまざまな権利を会社側に対して行使することができます。モンスター社員はこの立場を利用して、身勝手な主張を行い、会社の不利益になるようにふるまいます。
さらに、自分の権利が侵害されたと思えば、周囲の味方や労働組合、はては自身の親までをも巻き込んで、徹底的に会社を叩きます。
モンスター社員たちの特徴とは?
モンスター社員の特徴に、『自分の利益を何事にも優先する』というものがあります。
モンスター社員は、紙で指を切った程度のごく軽い切り傷でも労災を求めたり、社員一丸となって取り組まなければならない繁忙期に頻繁に休んだりと、権利を自分の都合のよいように解釈し、利用します。
さらに、必要がないのに会社に残って残業代を求めたり、本来不必要な経費を会社に請求したりと、とにかく会社の損益を考えず、あくまで『自分が得する』ことを中心に考えています。
また、『自己愛が強く、根拠のない自信を持っている』という特徴もあります。
たとえ仕事ができなくても、自分の仕事は完璧だと思っていますし、そのことを指摘されても、「自分の仕事を評価できない人が悪い」と反抗してきます。
また、ミスを注意されても、「環境が悪い」「上司や同僚が悪い」と、ほかのものに責任を転嫁するのも特徴です。
モンスター社員のなかには、明確な悪意があって会社に迷惑をかける人もいますが、たちが悪いのは、「自分は正しい」と思って行動しているモンスター社員です。
このタイプのモンスター社員は、『自分は正義』そして『会社は悪』という思考回路をしているので、すぐに自社を『ブラック企業』扱いします。客観的に見れば、『ブラック企業』とは言えないレベルの労働環境だったとしても、モンスター社員は『自分が正義』ですから、自分が納得いかないことはすべてブラックだと認定します。上司から注意を受けただけで、「パワハラだ」と騒ぎますし、自分の意見が通らないと“理解のない職場”のレッテルを貼ります。
そして、それを誰彼かまわずに吹聴します。そうなるとダメージを受けるのは会社のほうです。
モンスター社員は、経営者からすれば、頭の痛い存在であることは間違いありません。
モンスター社員への対策とは?
では、モンスター社員の対策にはどのようなものがあるのでしょうか。
まずは、そもそもモンスター社員を採用しないことです。
モンスター社員は基本的に責任を他者に転嫁するので、中途採用の面接時に前職の悪口が出たら要注意です。
前の会社の退職理由を聞いてみて、「前の会社は自分の能力を引き出してくれなかった」「簡単な仕事ばかりでやりがいがなかった」などのセリフが出てきたら、話を掘り下げてみましょう。
すると、自分のことしか見えておらず、結局は前の会社で厄介者扱いされていたのだとわかると思います。
次に、すでに社内にモンスター社員がいる場合はどうすればいいでしょうか。
もちろん、簡単に従業員を解雇することなどできません。なので、少なくともそういったモンスター社員を、責任のある立場に就かせないことです。
やっかいなのは、なかには仕事のできるモンスター社員もいるということです。
昇進を判断する際に、業務成績や能力だけで決めるのではなく、コミュニケーション能力や人間性なども評価基準に加え、本当にふさわしい人間が正当に評価されるような仕組みづくりを考えていきましょう。
また、就業規則も見直していく必要があります。
全ての労働者は労働基準法によって守られており、モンスター社員は、これを盾にしてあらゆることを主張してきます。これに対抗するには、就業規則をきちんと実情に則したものにして、モンスター社員の問題行動を縛るしかありません。
逆に就業規則があいまいだと、モンスター社員がどんな問題行動を起こしたとしても、懲戒免職にもできない可能性があります。
ほかには外部の産業カウンセラーによって、モンスター社員のカウンセリングを行い、根本の原因を知ることも、問題の解決につながります。
モンスター社員への対策を怠ると、必ずといっていいほど、会社は不利益をこうむります。
すばやく、的確な対応がモンスター社員を増長させないための鍵だと言えるでしょう。
※本記事の記載内容は、2019年4月現在の法令・情報等に基づいています。
モンスター社員とは、2000年頃に登場した『モンスターペアレント』から派生した言葉だといわれています。
モンスターペアレントとは、学校に対して理不尽な要求や過度なクレームをつけてくる親のことを指します。
モンスター社員とは、まさにこのモンスターペアレントの社員版と言えるでしょう。
会社は、一度、従業員と雇用契約を結ぶと簡単には解雇できません。
経営者側が従業員を解雇する場合は、傍から見て合理的な理由が必要であり、解雇することが妥当な処置だと認められなければ、解雇は無効になります。
一方で、従業員は労働基準法で守られており、さまざまな権利を会社側に対して行使することができます。モンスター社員はこの立場を利用して、身勝手な主張を行い、会社の不利益になるようにふるまいます。
さらに、自分の権利が侵害されたと思えば、周囲の味方や労働組合、はては自身の親までをも巻き込んで、徹底的に会社を叩きます。
モンスター社員たちの特徴とは?
モンスター社員の特徴に、『自分の利益を何事にも優先する』というものがあります。
モンスター社員は、紙で指を切った程度のごく軽い切り傷でも労災を求めたり、社員一丸となって取り組まなければならない繁忙期に頻繁に休んだりと、権利を自分の都合のよいように解釈し、利用します。
さらに、必要がないのに会社に残って残業代を求めたり、本来不必要な経費を会社に請求したりと、とにかく会社の損益を考えず、あくまで『自分が得する』ことを中心に考えています。
また、『自己愛が強く、根拠のない自信を持っている』という特徴もあります。
たとえ仕事ができなくても、自分の仕事は完璧だと思っていますし、そのことを指摘されても、「自分の仕事を評価できない人が悪い」と反抗してきます。
また、ミスを注意されても、「環境が悪い」「上司や同僚が悪い」と、ほかのものに責任を転嫁するのも特徴です。
モンスター社員のなかには、明確な悪意があって会社に迷惑をかける人もいますが、たちが悪いのは、「自分は正しい」と思って行動しているモンスター社員です。
このタイプのモンスター社員は、『自分は正義』そして『会社は悪』という思考回路をしているので、すぐに自社を『ブラック企業』扱いします。客観的に見れば、『ブラック企業』とは言えないレベルの労働環境だったとしても、モンスター社員は『自分が正義』ですから、自分が納得いかないことはすべてブラックだと認定します。上司から注意を受けただけで、「パワハラだ」と騒ぎますし、自分の意見が通らないと“理解のない職場”のレッテルを貼ります。
そして、それを誰彼かまわずに吹聴します。そうなるとダメージを受けるのは会社のほうです。
モンスター社員は、経営者からすれば、頭の痛い存在であることは間違いありません。
モンスター社員への対策とは?
では、モンスター社員の対策にはどのようなものがあるのでしょうか。
まずは、そもそもモンスター社員を採用しないことです。
モンスター社員は基本的に責任を他者に転嫁するので、中途採用の面接時に前職の悪口が出たら要注意です。
前の会社の退職理由を聞いてみて、「前の会社は自分の能力を引き出してくれなかった」「簡単な仕事ばかりでやりがいがなかった」などのセリフが出てきたら、話を掘り下げてみましょう。
すると、自分のことしか見えておらず、結局は前の会社で厄介者扱いされていたのだとわかると思います。
次に、すでに社内にモンスター社員がいる場合はどうすればいいでしょうか。
もちろん、簡単に従業員を解雇することなどできません。なので、少なくともそういったモンスター社員を、責任のある立場に就かせないことです。
やっかいなのは、なかには仕事のできるモンスター社員もいるということです。
昇進を判断する際に、業務成績や能力だけで決めるのではなく、コミュニケーション能力や人間性なども評価基準に加え、本当にふさわしい人間が正当に評価されるような仕組みづくりを考えていきましょう。
また、就業規則も見直していく必要があります。
全ての労働者は労働基準法によって守られており、モンスター社員は、これを盾にしてあらゆることを主張してきます。これに対抗するには、就業規則をきちんと実情に則したものにして、モンスター社員の問題行動を縛るしかありません。
逆に就業規則があいまいだと、モンスター社員がどんな問題行動を起こしたとしても、懲戒免職にもできない可能性があります。
ほかには外部の産業カウンセラーによって、モンスター社員のカウンセリングを行い、根本の原因を知ることも、問題の解決につながります。
モンスター社員への対策を怠ると、必ずといっていいほど、会社は不利益をこうむります。
すばやく、的確な対応がモンスター社員を増長させないための鍵だと言えるでしょう。
※本記事の記載内容は、2019年4月現在の法令・情報等に基づいています。