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高まる外国人介護福祉士雇用。その受け入れに必要な心構えとは?

19.04.02
業種別【介護業】
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外国人の在留資格に『介護』を追加することを柱とした『出入国管理及び難民認定法の一部を改正する法律』が、4月1日にいよいよ施行されました。 
この法改正は、介護福祉士の資格を持った外国人が日本で働けるようにすることが主な狙いとなっています。 
大幅に人材不足となることが想定されている介護業界で外国人介護士を導入することは、人材の確保という点で重要なポイントです。 
今後増加していくであろう外国人介護士を雇用するにあたり、受け入れ前に知っておきたい準備などを解説します。
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日本における外国人介護士受け入れの道のり

2008年にインドネシア、2009年にフィリピン、2014年にベトナムなど、実は外国人の看護師および介護福祉士の受け入れは以前から行われていて、当初は2年間で2,000人を受け入れる予定でした。
ところが、日本の看護師や介護福祉士の団体からの反発を受け、看護師は3年以内、介護福祉士は来日から4年以内に日本の国家試験に合格しない場合はビザを更新しない、という厳しいルールが設定されたのです。
それにより、巨額の税金が投入されながらも、想定していた結果を得られませんでした。

今回の法改正ではその時の反省を踏まえ、「不足する介護士を外国人で補完する」ことを大筋にして制定されています。
現在、留学生として介護を学んでいる外国人は増加傾向にあり、卒業後には在留資格を留学から介護に切り替えることで、日本で仕事に就くことができるようになりました。


やる気、知識ともに豊富な外国人介護士たち

日本の介護福祉士の試験に合格している外国人には、もともと本国で看護師として働いていた人も多くいます。
優秀であることに加え、やる気があり、即戦力として働けるだけのスキルは十分に持ち合わせているといえます。
介護現場からも、慢性的な人材不足から「意欲がある外国人なら受け入れを検討したい」という声が上がってきているようです。
近年はどんな職種でも外国人が普通に働いているので、介護職の国際化にも違和感を示す人は少なくなっているのかもしれません。


ただの人材補完と捉えず、入念な受入準備を

外国人介護士を雇用するにあたって、どのような準備や注意が必要でしょうか。
まずは、外国人介護士たちの目的をはっきり理解しておきましょう。

そもそも今回の法律は、「日本で技術を学び、母国の発展のために活かす」という趣旨のものです。
現場としては、介護の担い手として考えがちですが、彼らは日本で学んだことや得たことを母国に持ち帰り、母国の発展に寄与したいという意思を持っています。
せっかく教えたのに仕事を覚えたらさっさと帰国してしまった、というのは本来筋違いであることを理解しておきましょう。

そして、現在でも慢性的な人材不足に喘ぐ介護業界で、外国人教育のために専属の職員を配置できるような余裕のある現場は多くありません。
そのため、多くの職員の理解や協力が必須となります。
言葉や習慣の違いがある外国人介護士を教育しながら介護業務も行っていくことは、日本人職員にとっては負担となることもあると思います。
安易な考えでなく、外国人介護士を雇用する意義や目的を、現場の職員がしっかりと事前に理解しておくことが大切です。


『外国人介護福祉士候補者学習支援事業実施団体』には、国から委託費が支給されます。
ですが、育成のむずかしさや帰国してしまうことを考慮すると決して十分な支給とは言えないのが現状です。
このように、外国人介護士の導入は人材不足の補完という大きなメリットがありながらも、受け入れるための準備は必須です。
それぞれの現場で、どのようなところから取り掛かるべきか、まずは検討するところから始めてみませんか。


※本記事の記載内容は、2019年4月現在の法令・情報等に基づいています。