建設業経営者なら知っておきたい! 資金調達成功のコツ その2
前回に引き続き、建設業の経営者が知っておきたい資金調達の情報についてご紹介します。
今回は、公的融資制度として注目を集める『地域建設業経営強化融資制度』をピックアップ。
また、類似する制度として『下請セーフティネット債務保証事業』も合わせてご紹介します。
今回は、公的融資制度として注目を集める『地域建設業経営強化融資制度』をピックアップ。
また、類似する制度として『下請セーフティネット債務保証事業』も合わせてご紹介します。
建設業者の融資枠を使わない融資方法
『地域建設業経営強化融資制度』とは、一般財団法人建設業振興基金が中小・中堅建設企業の資金繰り対策として行っている融資制度です。
資本金が20億円以下、または常時使用する従業員が1,500人以下の建設業者が対象で、国や地方公共団体等が発注する建設工事や公共性のある民間工事を受注した元請け建設企業が利用できます。
工期が延長すると完成工事高が入金される時期も遅くなるため、その間の資金繰りがむずかしくなります。
しかし、この制度は工事出来高の範囲内での融資となっており、工事出来高に応じて低利で資金化することができます。
このため、受注前から資金調達の計画が立てやすくなります。
また、この制度では、融資事業者が金融機関から借り入れして資金調達します。
このとき建設業振興基金が債務保証を行いますが、建設業者は形式的にはこの借り入れには関わってきません。
そのため、建設業者の融資枠を利用することもありません。
すなわち、無担保・無保証人が可能となります。
査定から1週間前後で融資が可能に!
工事出来高の査定から融資実行までの時間が短いのも、『地域建設業経営強化融資制度』の特徴です。
特に問題がなければ、工事出来高査定から1週間前後で融資が受けられるケースが一般的です。
また、工事の出来高査定費用に加え、融資の際の事務手数料などの諸経費に対して助成金が支給されるのも大きな特徴です。
手続きの流れは、まず建設業者が発注者に対して、工事代金債権を譲渡する承諾を求めます。
この承諾が下りたら、建設業振興基金に対して、工事請負代金債権の譲渡と融資を申し込み、融資事業者が建設業者に融資を行います。
メリットの多い地域建設業経営強化融資制度ですが、注意しておきたいのが時限的な制度であることで、今のところ、2021年3月末までに限り適用が可能となっています。
類似箇所が多い2つの融資制度の違い
今回もう一つご紹介する『下請セーフティネット債務保証事業』も、建設業振興基金が行っている融資制度です。
工事請負代金を債権譲渡することによって転貸融資を行うというシステムも、制度を利用できる建設業者の規模要件も、地域建設業経営強化融資制度と同じです。
しかし、違う点があります。
まず1点目は、適用期限が設けられていないということです。
2点目は、地域建設業経営強化融資制度では、保証事業会社の金融保証が受けられるため、金融機関から直接融資を受けることができましたが、下請セーフティネット債務保証事業では、転貸融資を超える額の融資は原則として認められないということです。
また、地域建設業経営強化融資制度と下請セーフティネット債務保証事業は併用ができないため、融資を受けるときにはどちらか一つを選択して利用することになります。
どちらも建設業の資金調達の円滑化をはかるための公的な制度ですので、要件を満たす工事に関わっている場合は、ぜひおすすめします。
どちらを選んだ方がよいかは、工事の出来高や、債権譲渡先、保証事業会社、金融機関の対応などにより異なりますので、まずは建設業振興基金や、近くの融資事業者などにも相談のうえ、検討してみてください。
『地域建設業経営強化融資制度』とは、一般財団法人建設業振興基金が中小・中堅建設企業の資金繰り対策として行っている融資制度です。
資本金が20億円以下、または常時使用する従業員が1,500人以下の建設業者が対象で、国や地方公共団体等が発注する建設工事や公共性のある民間工事を受注した元請け建設企業が利用できます。
工期が延長すると完成工事高が入金される時期も遅くなるため、その間の資金繰りがむずかしくなります。
しかし、この制度は工事出来高の範囲内での融資となっており、工事出来高に応じて低利で資金化することができます。
このため、受注前から資金調達の計画が立てやすくなります。
また、この制度では、融資事業者が金融機関から借り入れして資金調達します。
このとき建設業振興基金が債務保証を行いますが、建設業者は形式的にはこの借り入れには関わってきません。
そのため、建設業者の融資枠を利用することもありません。
すなわち、無担保・無保証人が可能となります。
査定から1週間前後で融資が可能に!
工事出来高の査定から融資実行までの時間が短いのも、『地域建設業経営強化融資制度』の特徴です。
特に問題がなければ、工事出来高査定から1週間前後で融資が受けられるケースが一般的です。
また、工事の出来高査定費用に加え、融資の際の事務手数料などの諸経費に対して助成金が支給されるのも大きな特徴です。
手続きの流れは、まず建設業者が発注者に対して、工事代金債権を譲渡する承諾を求めます。
この承諾が下りたら、建設業振興基金に対して、工事請負代金債権の譲渡と融資を申し込み、融資事業者が建設業者に融資を行います。
メリットの多い地域建設業経営強化融資制度ですが、注意しておきたいのが時限的な制度であることで、今のところ、2021年3月末までに限り適用が可能となっています。
類似箇所が多い2つの融資制度の違い
今回もう一つご紹介する『下請セーフティネット債務保証事業』も、建設業振興基金が行っている融資制度です。
工事請負代金を債権譲渡することによって転貸融資を行うというシステムも、制度を利用できる建設業者の規模要件も、地域建設業経営強化融資制度と同じです。
しかし、違う点があります。
まず1点目は、適用期限が設けられていないということです。
2点目は、地域建設業経営強化融資制度では、保証事業会社の金融保証が受けられるため、金融機関から直接融資を受けることができましたが、下請セーフティネット債務保証事業では、転貸融資を超える額の融資は原則として認められないということです。
また、地域建設業経営強化融資制度と下請セーフティネット債務保証事業は併用ができないため、融資を受けるときにはどちらか一つを選択して利用することになります。
どちらも建設業の資金調達の円滑化をはかるための公的な制度ですので、要件を満たす工事に関わっている場合は、ぜひおすすめします。
どちらを選んだ方がよいかは、工事の出来高や、債権譲渡先、保証事業会社、金融機関の対応などにより異なりますので、まずは建設業振興基金や、近くの融資事業者などにも相談のうえ、検討してみてください。