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『IT導入補助金』は介護業界の救世主となるか!?

18.12.25
業種別【介護業】
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人手不足が深刻化している介護業界。事業主はコスト削減を図りたくとも、人件費を削減することが厳しい状況となっています。
そこで注目されているのが“ICT(情報通信技術)の活用による業務効率化”です。
これによりコスト削減、生産性向上、サービスの向上、労働環境の改善など、さまざまなメリットが得られます。 
今回は、介護現場を救う“ICTの活用”と、その導入をバックアップする『IT導入補助金』制度についてご紹介します。
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“生産性の向上”が介護業界の急務 

介護事業を運営するにあたって、資金繰りは避けて通れない問題です。 
介護保険サービスを提供してから実際に入金されるまでには約2カ月の期間を要しますが、その間にも家賃・水道光熱費などの必要経費や、スタッフへの給与の支払いが発生するため、多くの介護事業者が資金繰りに苦労しているといえます。 

そのなかでも介護スタッフの人件費は最も大きな経費であり、介護事業の人件費率はほかの業種と比べても極めて高く、平均して70%以上の数値で推移しています。 
安定した資金繰りのためには一定の経費削減が必要となりますが、人件費の削減は事業運営上のリスクを伴います。 
安易にスタッフを削減すると、人手不足による介護サービスの質の低下につながるうえ、スタッフ1人あたりの業務負担が増えるため、離職者が増えることが予想されます。

また、今後は高齢化だけでなく、高齢者を支える若年層の人口減少が急速に進むため、“介護を提供する人材”の不足が顕著となります。 
そのため、“限られた人材で最高のパフォーマンスを実現すること”、つまり“生産性の向上”によって人材不足の一部を補うことが必要不可欠と指摘されています。 


ICTの導入でパフォーマンスを上げる! 

では、どうすればサービスの質を低下させずに、人件費を抑えられるのでしょうか。 
そこで考えられるのが、ICTの活用による業務効率化です。 
ICTとは『情報通信技術』のことを指します。
ITとほぼ同じ意味ですが、ITにコミュニケーションの要素も含めた言葉として国際的に用いられています。 

たとえば、介護事業でICTを導入すれば、スケジュールや利用者への申し送り事項の確認、サービス状況や報告書の作成、バイタルサイン(体温・脈拍・血圧など)の記録などを、クラウドシステムを利用して管理することが可能となります。
また、このようなシステムを利用することは生産性の向上とともにペーパーレス化にもつながるため、紙代や印刷代などの経費削減も期待できます。 

そのほかにも、『認知症高齢者の見守りセンサー』や『見守りロボット』などの介護ロボットを活用したり、『レセプト(診療報酬明細書)の電子化』を進めたりすることによって、介護スタッフは“人の手を使わなければできない業務”に専念することができるようになります。 
その結果、生産性やサービスの向上につなげられるほか、介護スタッフの満足度も上がれば、離職率の減少も期待できるでしょう。 


『IT導入補助金』が費用面をバックアップ 

ただし、これらのシステム導入にはコストがかかるため、実現に踏み切ることを躊躇している事業所もあるかと思います。
そこで利用したいのが経済産業省の『IT導入補助金』。
システム導入費用の一部について補助が受けられる制度です。 
ほとんどの介護事業所がIT導入補助金の対象となりますので、多くの介護事業所で生産性向上に向けた活用が期待されています。 

『IT導入補助金』の概要や手順は下記の通りです。 

【IT導入補助金の概要】 
対象事業所:常勤の従業者が100人以下の事業所・施設 
補助対象:ソフトウェアやクラウドの利用料、導入経費など 
補助額:15万円以上50万円未満で、事業費用の50%以下 

【IT導入補助金を受けるための手順】 
(1)相談 
支援機関(近隣のよろず支援拠点、商工会、商工会議所、ITコーディネーターなど)に、経営課題や課題解決のためのITツール(ソフトウェアなど)を相談する。 
(2)申請 
導入したいITツールやIT導入支援事業者(事務局の認定を受けた事業者)を決定し、そのIT導入支援事業者とともに経済産業省のホームページから必要な情報を提出する。 
(3)補助事業の実施 
経済産業省による審査後、採択のうえでITツールを導入・活用する。 


これからシステムの導入や生産性向上のための施策を考えているのであれば、『IT導入補助金』の申請も検討されてみてはいかがでしょうか。