季節的業務の雇用延長後に解雇をする場合、予告は必要?
【相談内容】
海水浴場などでの季節的業務を行うため、2ヵ月の契約で新たに従業員を雇い入れました。
その後、夏日が続いた影響で浴場経営を継続させる必要性から、従業員の雇用期間をさらに3ヵ月間延長しました。
しかし、思ったほど海水浴客が増えず、雇用を継続することが困難になったため、雇用を開始して4ヵ月目に解雇することになりました。
この場合、30日前までに解雇予告をすることが必要でしょうか?
海水浴場などでの季節的業務を行うため、2ヵ月の契約で新たに従業員を雇い入れました。
その後、夏日が続いた影響で浴場経営を継続させる必要性から、従業員の雇用期間をさらに3ヵ月間延長しました。
しかし、思ったほど海水浴客が増えず、雇用を継続することが困難になったため、雇用を開始して4ヵ月目に解雇することになりました。
この場合、30日前までに解雇予告をすることが必要でしょうか?
【結論】
労働基準法第21条により“季節的業務に4ヵ月以内の期間で使用される者に対しては、解雇予告が不要である”と定められています。
しかし、同条にて『所定の期間を超えて引き続き使用されるに至った場合はこの限りでない』と規定されているため、今回のケースでは“解雇30日前までの予告義務”が発生します。
季節的業務とは?
春夏秋冬の四季や、結氷・積雪・梅雨などの自然現象に伴う業務のことを“季節的業務”といいます。
具体的には、除雪作業のほか、夏季の海水浴場の業務、農作物の収穫の手伝いなどを指し、季節や自然現象に左右されない業種の繁忙期は該当しません。
また、労働基準法コンメンタールの定めによると、季節的業務は“契約期間が4ヵ月以内”であるものを指します。
従業員を解雇する場合は30日前までの予告が必要
『使用者は、労働者を解雇しようとする場合においては、少なくとも30日前にその予告をしなければならない』と労働基準法第20条第1項に定められています。
また、『30日前に予告をしない使用者は、30日分以上の平均賃金を支払わなければならない』とも同条に規定されています。
そのため、30日前までに解雇予告を行わなかった場合は、解雇予告手当を支払う義務があるのです。
解雇予告が不要なケースとは?
前述の通り、原則として解雇をする場合は30日前までに予告をすることが必要です。
ただし例外として、“従業員の責に帰すべき理由による解雇”や“天災事変などにより事業の継続が不可能となった場合”は、解雇予告や解雇予告手当の支払いをせず、解雇をすることが可能です。
この場合、原則としてあらかじめ労働基準監督署長の認定(解雇予告除外認定)を受ける必要があります。
“従業員の責に帰すべき理由による解雇”の場合、認定は過去の判例に照らし合わせ、ヒアリングなどを通じて事実関係を厳格に精査しながら進められます。
そのため、容易には認定はされません。
また、労働基準法第21条にて、以下の4項目に該当する従業員には解雇予告が不要であると規定されています。
(1) 日々雇い入れられる者(ただし、1ヵ月を超えて引き続き使用された場合を除く)
(2) 2ヵ月以内の期間を定めて使用される者(ただし、所定の期間を超えて引き続き使用された場合を除く)
(3) 季節的業務に4ヵ月以内の期間を定めて使用される者(ただし、所定の期間を超えて引き続き使用された場合を除く)
(4) 試の使用期間中の者(ただし、14日を超えて使用された場合を除く)
ただし、上記カッコ内で記載した“所定の期間”を超えて雇用した場合は、この限りではありません。
つまり、当初の契約期間を延長して雇用した場合、労働基準法第21条の“解雇予告が不要なケース”には該当しないのです。
今回のご質問の場合、最終的な雇用期間が4ヵ月以内だとしても、当初の期間を越えて引き続き雇用しているため、解雇をする場合には30日前までの予告が必要です。
解雇予告は口頭でも有効ですが、口約束ではトラブルに発展するリスクがあるため、“解雇通知書”を作成するようにしましょう。
解雇通知書には、“解雇日”や“解雇する具体的な理由”を記すことが重要です。
従業員の雇用や解雇について不明な点がありましたら、お気軽にご相談ください。
現場に身近な労働法 Q&A
労働基準法第21条により“季節的業務に4ヵ月以内の期間で使用される者に対しては、解雇予告が不要である”と定められています。
しかし、同条にて『所定の期間を超えて引き続き使用されるに至った場合はこの限りでない』と規定されているため、今回のケースでは“解雇30日前までの予告義務”が発生します。
季節的業務とは?
春夏秋冬の四季や、結氷・積雪・梅雨などの自然現象に伴う業務のことを“季節的業務”といいます。
具体的には、除雪作業のほか、夏季の海水浴場の業務、農作物の収穫の手伝いなどを指し、季節や自然現象に左右されない業種の繁忙期は該当しません。
また、労働基準法コンメンタールの定めによると、季節的業務は“契約期間が4ヵ月以内”であるものを指します。
従業員を解雇する場合は30日前までの予告が必要
『使用者は、労働者を解雇しようとする場合においては、少なくとも30日前にその予告をしなければならない』と労働基準法第20条第1項に定められています。
また、『30日前に予告をしない使用者は、30日分以上の平均賃金を支払わなければならない』とも同条に規定されています。
そのため、30日前までに解雇予告を行わなかった場合は、解雇予告手当を支払う義務があるのです。
解雇予告が不要なケースとは?
前述の通り、原則として解雇をする場合は30日前までに予告をすることが必要です。
ただし例外として、“従業員の責に帰すべき理由による解雇”や“天災事変などにより事業の継続が不可能となった場合”は、解雇予告や解雇予告手当の支払いをせず、解雇をすることが可能です。
この場合、原則としてあらかじめ労働基準監督署長の認定(解雇予告除外認定)を受ける必要があります。
“従業員の責に帰すべき理由による解雇”の場合、認定は過去の判例に照らし合わせ、ヒアリングなどを通じて事実関係を厳格に精査しながら進められます。
そのため、容易には認定はされません。
また、労働基準法第21条にて、以下の4項目に該当する従業員には解雇予告が不要であると規定されています。
(1) 日々雇い入れられる者(ただし、1ヵ月を超えて引き続き使用された場合を除く)
(2) 2ヵ月以内の期間を定めて使用される者(ただし、所定の期間を超えて引き続き使用された場合を除く)
(3) 季節的業務に4ヵ月以内の期間を定めて使用される者(ただし、所定の期間を超えて引き続き使用された場合を除く)
(4) 試の使用期間中の者(ただし、14日を超えて使用された場合を除く)
ただし、上記カッコ内で記載した“所定の期間”を超えて雇用した場合は、この限りではありません。
つまり、当初の契約期間を延長して雇用した場合、労働基準法第21条の“解雇予告が不要なケース”には該当しないのです。
今回のご質問の場合、最終的な雇用期間が4ヵ月以内だとしても、当初の期間を越えて引き続き雇用しているため、解雇をする場合には30日前までの予告が必要です。
解雇予告は口頭でも有効ですが、口約束ではトラブルに発展するリスクがあるため、“解雇通知書”を作成するようにしましょう。
解雇通知書には、“解雇日”や“解雇する具体的な理由”を記すことが重要です。
従業員の雇用や解雇について不明な点がありましたら、お気軽にご相談ください。
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