企画展は、昭和天皇に関連する資料を集めている同館の常設展示の一角で実施されている。中央には、皇室からの訪英歴、英王室からの訪日歴をまとめた年表を掲示し、歴史の全体像を示す。
それによると、英王室からの訪日は明治2(1869)年、ビクトリア女王の第2王子、アルフレッドが遠洋航海の途中に立ち寄ったところから始まる。ビクトリア女王の即位50年、60年の記念式典には、日本から皇族が参列した。
関係を深める日英両国の大きな転機となったのは、35年の日英同盟締結だ。日本が日露戦争に勝利した後、英国最高勲章の「ガーター勲章」を明治天皇に授与するため、39年に英王室からコンノート公が来日。同館の梶田明宏副館長は「コンノート公は実際に明治天皇に勲章を着ける際、手が震えてピンを自分の手に刺してしまったという逸話もある」と話す。
ガーター勲章はその後、大正天皇、昭和天皇、上皇さまにも代々授与されている。展示では明治天皇にコンノート公が勲章を着ける場面の錦絵や、勲章を着用した大正天皇の肖像写真を見ることができる。
また、大正10年に皇太子時代の昭和天皇が英国を訪問した際、随行した閑院宮載仁(ことひと)親王が英国から贈られたジョージ5世とメアリー皇后のサイン入り肖像写真など貴重な史料も展示。この肖像写真は不定期で、皇太子時代のチャールズ国王と、ダイアナ元皇太子妃のものと入れ替えるという。